ブログ

ECサイトの決済方法は? 9種類の方法と選択する際のポイントなどを紹介

これからECサイト(ネットショップ)を構築する場合、考えるべきことは多くありますが、そのなかでも決済手段の選択は欠かせない要素のひとつです。顧客の利便性を考えれば、決算手段は多いほうがよいものの、そのぶん、セキュリティ対策や管理の手間は増えてしまいます。そこで、ECサイト構築で欠かせない決済手段にはどういったものがあるのか、その種類とそれぞれのメリット・デメリット、選択する際のポイントについてお伝えします。

ECサイトで使われる決済方法の種類は?

ECサイトを構築するとなると、設置すべき機能は通常のWebサイトより多くなります。なかでも、決済システムの設置は欠かせません。また、考えなければならないのは、どういった決済方法を導入するかでしょう。ECサイトで使われる決済方法は、おもに次の9種類です。それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

なお、ECサイトを構築する方法については、「ECサイトの作り方-構築方法とそれぞれのメリット・デメリット」をご覧ください。

クレジット決済

もっとも多く利用される決済方法です。クレジット決済がない場合はほかの店舗に行くといったユーザーも少なくありません。ECサイトを運営するのであれば、必須の決済方法です。

ただし、クレジット決済にはチャージバックのリスクがあります。チャージバックとは、ユーザーがクレジットカードを不正利用されたり取引に納得しなかったりして支払いを拒否した場合に、クレジットカード会社が加盟店への支払いを拒否することをいいます。そのため、セキュリティ管理を厳重にする手間がかかるといったデメリットがあります。

銀行・コンビニ決済

クレジットカード保有率の低い10代を対象としたECサイトであれば、必須の決済方法です。銀行やコンビニエンストアは店舗が多いので、ユーザーの利便性も高いというメリットがあります。また、カートによっては銀行、コンビニエンスストアのどちらでも決済可能な場合もあるため、便利な決済手段です。なお、カートとは、購入しようとしている商品に誤りがないか確認したり、配送先や配送方法を指定したり、決済手続きを行ったりするための機能のことです。

ただし、後払いを導入すると代金未回収のリスクが発生します。債権回収会社に依頼するコストも考えると、後払いの導入はおすすめできません。

なお、銀行決済の別の方法として、PayPal決済、ペイジー決済などもあります。どちらも、銀行口座から代金を支払う方式(PayPalはクレジットカードとの連携もあり)ですが、認知度が低く、利用者はまだそれほど多くはありません。

代金引換決済(代引)

商品と引き換えに代金を受け取るかたちの決済方法です。クレジットカード決済や銀行・コンビニ決済で個人情報が漏れるのを嫌がるユーザーにとっては、使いやすい決済方法だといえます。ただし、手数料が安くないため、敬遠するユーザーもいます。

なんらかの事情で商品がユーザーに渡らず返送された際は、送料や配送の手間がすべて無駄になってしまうリスクがあります。

口座振替

銀行口座から引き落としをするかたちの決済方法です。定期販売や継続課金タイプの商材を扱うECサイトの場合、ユーザーにとっても手軽に利用できます。最近ではインターネット上で口座振替手続きができる銀行も増え、より便利になりました。

ただし、口座の残高不足が発生した場合、未回収になるリスクがあります。

インターネットバンキング

インターネットバンキングを使った決済方法です。24時間の入金体制が構築できるメリットがありますが、利用者はそれほど多くありません。

デビットカード決済

決済の段階で銀行口座から引き落とされるかたちの決済方法です。クレジットカードを持っていない10代(15歳以上)でも利用可能なため、10代を対象としたECサイトには導入するメリットがあります。

ただし利用者が少ないため、必ずしも必須の決済方法とはいえないでしょう。

キャリア決済

携帯電話やスマートフォンなどのキャリアを通し、毎月の利用料と併せて引き落とされるかたちの決済方法です。ほぼすべてのユーザーが携帯電話もしくはスマートフォンを持っているため、ユーザーにとっては気軽に利用できる決済方法です。

しかし、ECサイト運営者側から見ると、キャリアごとに仕様が異なっていたり、手数料が高かったりといったデメリットがあります。

キャッシュレス決済

スマートフォンを使った決済方法のひとつで、アプリをダウンロードし、クレジットカードや銀行口座とひもづけて決済を行います。LINE PayやPayPayなどが代表的です。まだ利用できる店舗は多くありませんが、この後に紹介するID決済同様、今後ニーズが増えてくるといわれています。

ID決済

Amazon Payや楽天ペイが代表的な例で、Amazonや楽天に登録している決済情報を使って行う決済方法です。ユーザーにとっては、すでに登録してある情報を使えるため、購入の際にあらためて個人情報を入力する手間がかかりません。

しかし、ECサイト運営者側から見ると、独自店舗としては購入時に個人情報の入手ができない、ページ改修が必要になる、ポイントの原資を負担する可能性があるといったデメリットがあります。

決済方法のトレンドはID決済!?

株式会社フューチャーショップの調査によると、同社が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」での決済方法の利用割合(2020年6月時点)は、次のような結果でした。

  • クレジットカード 49.00%
  • 現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)30.19%
  • ID決済 20.81%

クレジットカードが約半数を占め、現金・その他決済がそれに続きます。

一方で、各決済手段の前年同月比は、ID決済が114.49%、クレジットカードが110.95%、現金・その他決済が80.16%と、ID決済が第1位でした。

ID決済には、上述したようにユーザーの購入時に個人情報の入手ができない、ポイントの原資を負担する可能性があるなどのデメリットもあります。しかし、利用割合が上昇していることから、ECサイトによっては導入を検討するといいかもしれません。

ECサイトで決済方法を選択する際のポイント

ここまでで見てきた内容を参考に、決済方法を選択する際のポイントを以下にまとめます。

  • クレジット決済は必ず設置する
  • 銀行・コンビニ決済は需要が高いため設置する。債権回収の手間を考えれば先払いのみがベスト
  • 代金引換は需要が高いため、できるだけ導入したい。手数料の高さを不満に思うユーザーが少なくないため、ある程度の負担を検討する
  • デビットカードやキャリア決済は現状まだ利用者が少ないため、無理していますぐ導入しなくてもよい
  • キャッシュレス決済やID決済はいますぐ設置する必要はないが、軌道に乗れば、いずれ検討したい

以上を参考に、自社の状況に合わせて必要な決済方法を選択しましょう。

クレジットカード決済サービス(オンライン決済代行サービス)はどれを選べばいいのか

設置必須の「クレジットカード決済」を実現するにあたり、カード会社1社1社と契約を結んでいくのは現実的ではありません。

そのためECサイトを立ち上げるときに、クレジットカード会社との契約を取りまとめる「オンライン決済代行サービス」と契約することが一般的です。オンライン決済代行サービスにもさまざまな種類があり、どれを選べばよいか、開発時の検討事項になります。

以下に、オンライン決済代行サービスを5社、簡単に紹介します。

VeriTrans

全11種類の決済方法が利用でき、最新のセキュリティにも対応しています。また、実店舗もある場合、ECサイトと一元管理が可能なのも大きなメリットです。

Stripe

世界120か国以上で導入されているオンライン決済代行サービスです。手数料が比較的安く、事前審査がなく導入方法もシンプル。頻繁なアップデートがあり、使い勝手が良いのがメリットです。

GMOペイメントゲートウェイ

全26種類の決済方法に対応している国内最大規模のオンライン決済代行サービスです。海外進出支援も行っているため、大規模ECサイトに向いたサービスといえるでしょう。

PayPal

ユーザー数は全世界で3億人以上、世界2,400万店以上の店舗で利用できる決済サービスです。海外向けにECサイトを行うのであれば、優先して検討をしたいサービスといえます。

Omise

クレジット・デビットカード、コンビニ決済、ペイジー決済、ネットバンキングのほか、多通貨決済にも対応しています。また、SNS上で商品やサービスの販売ができるソーシャルコマース機能もあります。

検討の際は、各サービスのWebサイトにて詳しい内容をご確認ください。

なお、ECサイトを構築するシステム側で、対応するオンライン決済代行サービスが異なる場合があります。例えば、EC-CUBEで対応している決済代行は「EC-CUBEで使える決済サービス」にあるものに限られるというように、システムの制約も加味して選ばなくてはなりません。また、「越境EC」と呼ばれる、国際取引を想定したECサイトの場合は、越境EC向けの決済サービスを選択する必要があります。

ECサイトの決済方法は、商材の特徴やユーザー属性を考えたうえで最適な選択を

これからECサイトを構築する際、決済方法は多ければ多いほど、ユーザーの利便性が高く売上も見込めると考えがちです。しかし、あまり使われていない決済方法なのに導入の手続きをしたり、多くの決済方法が使えるカートを契約したりすれば、手間やコストがかかります。それを考えると、やみくもに増やせばいいとはいえません。

重要なのは、自社のECサイトで扱う商材やユーザー属性を確認し、どういった決済方法が使いやすいか、どういった決済方法がもっとも自社のユーザーに適しているかを検討することです。できるだけ効率よくECサイト運営をするためにも、自社と自社のユーザーにとってのメリットを第一に考え、最適な選択をしましょう。

なお、サイバーウェーブの「VALUE KIT」の「EC部品」には、決済システムが含まれています。決済システムだけではなく、ネットショップに欠かせないショッピングカートや価格の管理、商品管理、売上管理も含まれており、顧客管理システムとの連携も容易です。興味のある方は、お気軽にお問合せからご相談ください。

お問合せ

プロダクト

おすすめ記事