ブログ

VALUE KIT開発秘話 第4回「加盟店2500社の決済手続きをデジタル化!流通月額80億円の決済プラットフォーム」

加盟店からEメールで送られてきたファイルを開き、一つ一つ手作業でデータを入力している。ファイル形式がバラバラでチェックが煩雑になっている。データの不備を自動で補正できないため、手作業で修正している。このような課題はありませんか。

サイバーウェーブでは、自社製品である「VALUE KIT」をもとにシステム開発をしています。VALUE KITは、システム開発でよく使われる機能をキットとしてそろえたものです。

今回ご紹介するD社は、加盟店2500社から決済情報を集めています。D社が運営する月間80億円規模の決済プラットフォームをVALUE KITで構築しました。

決済情報の入力にかかる金銭的・時間的なコストを減らしたい

決済代行業務を行っているD社は、加盟店から毎月の決済情報を集めています。VALUE KITの導入前は、2つの課題がありました。

  1. 決済情報をExcelファイルで集め、データの入力を子会社に委託していた
  2. Excelでは入力ミスを自動チェックできないので、目視と手作業で確認し、つど修正依頼をしていた

1つ目の課題は、決済情報の入力にかかる人件費です。D社は、決済情報が記載されたExcelファイルを加盟店から収集した後、基幹システムにデータを送信します。しかし、基幹システムにはExcelファイルをインポートする機能がありません。D社は決済情報の入力を子会社に委託し、委託先の社員はマンパワーで基幹システムにデータを入力していました。加盟店が増えるほど委託費用も増えるため、将来的なコスト増加と事業の費用対効果が懸念となっていました。

2つ目の課題は、Excelファイルの修正にかかるコミュニケーションコストです。Excelには、記載された決済情報の記載ミスを発見・修正する機能がありません。委託先の社員は、加盟店から集めたExcelファイルを一つ一つ開き、決済情報が合っているか、文字化けしていないかなどを目視で確認していました。決済情報が間違っている場合は、加盟店の担当者に修正依頼を出す必要があり、メールの往復に手間と時間がかかっていました。

「ベース部品」でインポート機能を追加、整合性チェックも自動で行う

D社の課題の根本にあるのは、決済情報の送信先である基幹システムにExcelファイルを取り込む(インポートする)機能がないことです。それゆえに決済情報の入力を手作業で行うほかなく、2500社分のExcelファイルを一つ一つ開いて中身を確認しなければならない、というように問題へつながっていました。

まずは、VALUE KITの中核である「ベース部品」を用いて加盟店ごとのマイページを作り、Excelファイルをインポートできる機能を実装しました。これにより、加盟店の担当者はExcelファイルをアップロードするだけで済み、D社がExcelファイルを集めて子会社に受け渡し、マンパワーで入力するというプロセスもなくなりました。

また、D社の基幹システムは親会社の銀行につながっているため、1円のズレも許されません。インポートされた決済情報は、VALUE KITがその場で整合性チェックを行い、エラーが出た場合は該当する行をハイライトします。これにより、加盟店の担当者が記載ミスを自己解決できるようになり、委託先の社員が目視で確認して差し戻すというプロセスもなくなりました。

VALUE KITで整合性チェックを行った決済情報は、ベース部品の「バッチ処理」を通じてD社の基幹システムに送信されます。バッチ処理とは、負荷がかかる大規模な作業を指定した時間にまとめて実行する機能です。バッチ処理の過程と結果は管理画面にリアルタイムで表示され、D社は日々の運用が正しく行われているかを一目で確認することができます。

「ベース部品」で加盟店を束ねたプラットフォームを構築

D社の加盟店リストには、2500社が名を連ねています。Excelファイルのアップロードに必要なマイページを開発する上で、D社が業務連絡や支払状況の確認などを行う決済プラットフォームを構築しました。VALUE KITの中核である「ベース部品」には、プラットフォームに欠かせない管理画面とセキュリティが標準で組み込まれています。

加盟店の担当者にメンテナンス情報や新機能などの業務連絡を行う場合は、D社が管理画面から一斉送信するだけで、各担当者のマイページにお知らせが届きます。D社の以前のメールによる運用では、一部の加盟店に送信忘れをしてしまうケースがありました。管理画面からの一斉送信であれば、参加しているすべての加盟店に確実に連絡が行き渡るため、業務連絡をスムーズに行うことができます。

プラットフォームを成り立たせているセキュリティ機能は、下記の3つです。

  1. 2階層のセキュリティモデル
  2. 2要素認証(アクセス元IP制限)
  3. 監査ログ

2階層のセキュリティモデルでは、企業と加盟店の間でアクセスできる領域を制限することができます。D社の加盟店を地域ごとに分類した場合、東京都の担当者と加盟店、埼玉県の担当者と加盟店というように、担当者の管轄ごとにアクセスできる加盟店を制限できる機能です。この場合、東京都の担当者のアカウントからは、埼玉県の担当者がアクセスできる領域を表示することはできません。

2要素認証は、D社がマイページにログインできるIPアドレスを加盟店ごとに設定する機能です。これにより、第3者が加盟店αのログインIDとパスワードを入手したとしても、加盟店αが契約しているネット回線に接続しない限り、加盟店αのマイページにアクセスすることはできません。

監査ログは、加盟店の担当者がログイン中に行った操作をすべて記録する機能です。月間80億円が動いている当決済プラットフォームは、D社と加盟店との間にある信頼関係で成り立っています。しかし、Excelファイルのアップロードを行う加盟店の担当者が、現場の責任者であるとは限りません。監査ログがあることにより、加盟店の担当者がトラブルを起こしたとしても「何月何日の何時何分にどこのページでどのような操作が行われたか」の記録を残し、問題解決につなげることができます。

サイバーウェーブは御社のDXを支援します

サイバーウェーブは、発注した段階でシステムの7割が完成している高品質・短納期・柔軟なシステム「VALUE KIT」をベースに、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

https://cyberwave.jp/contact/

おすすめ記事