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事例に見るプラットフォームビジネスの概要と成功のポイント

プラットフォームビジネスというと、新しいものといったイメージがあるかもしれません。しかし、プラットフォームというビジネススタイル自体は古くから存在しており、商店街や百貨店などもプラットフォームビジネスのひとつです。ではなぜ、それが最近になって脚光を浴びているのでしょうか。今注目されている、インターネットを中心としたプラットフォームビジネスの特徴と、注目される理由、事例をもとにした成功のポイントを紹介します。

ネットワーク効果により大きく成長する可能性を持つプラットフォームビジネスとは

プラットフォームビジネスとは、情報や商品、サービスを提供するための場「プラットフォーム」で多くのプレイヤー(小売業者など)とユーザーが集まり経済圏をつくっていくビジネスです。プラットフォームを提供する事業者をプラットフォーマーといいます。

冒頭でもふれたように、プラットフォームというビジネススタイル自体は以前から存在していました。ただし、商店街やデパートなど実在する場では、プラットフォームを構築するにはコストが大きすぎるため、誰でも参入できるわけではなかったのです。

一方で、インターネット上であれば、低コストでプラットフォーム構築が可能です。そのため、インターネットの普及が進むにつれ、多くの事業者が参入し、ひとつのビジネススタイルとして注目を浴びるようになりました。

では、インターネットのプラットフォームビジネスに絞って、そのメリットとリスクを見てみましょう。

プラットフォームビジネスのメリット

プラットフォームビジネスには次のようなメリットがあります。

  • ネットワーク効果
    プレイヤーが増えれば増えるほどプラットフォームの価値が高まり、多くのユーザーが集まるようになります。また、ユーザーが増えれば増えるほどプレイヤーの利益が上がり、さらに多くのプレイヤーが集まるといった好循環が生まれやすくなります。このように、「ネットワーク効果」が見込める点がメリットです。ネットワーク効果によってプラットフォームの価値が高まれば、プラットフォーマーは競合に対して優位性を保てます。競合優位に立つことで、継続的に利益を生み出せることも大きなメリットです。
  • 少ない資本でも参入が可能
    サービスの形態にもよりますが、インターネットであれば土地や建物を必要としないため、基本的にプラットフォーマーは場の提供をするだけでビジネスを始められます。また、自ら製品やサービスを開発する必要もなく、プラットフォームのアイデアさえあれば多額の資本がなくても参入可能です。
  • 自動的に蓄積されるデータを今後に生かせる
    通常、ユーザーの行動履歴など多くのデータがプラットフォーマーに集まる仕組みになっています。蓄積したビッグデータを分析し、今後のサービス改善につなげることが可能です。

プラットフォームビジネスのリスク

  • プレイヤーの不祥事は提供者の不祥事となる
    プラットフォームに参加したプレイヤーが不祥事を起こした場合、プラットフォームを提供したプラットフォーマーに問題があったとして悪評が拡がる可能性があります。
  • プレイヤーが集まらない可能性もある
    プラットフォームに魅力がなければ、当然プレイヤーもユーザーも集まりません。そうなればビジネスとして成立しなくなり、早期の撤退を余儀なくされてしまいます。ほかにはない魅力あるプラットフォームを提供する必要があります。

プラットフォームビジネスを成功させているサービス事例

プラットフォームビジネスを成功させているサービスの事例をいくつか紹介します。

楽天市場

日本でサービスを展開しているインターネットショッピングモールとしては最大級の規模を誇る楽天市場。ファッション、玩具、スポーツ用品、グルメ、家電、インテリア・家具、車・バイク、コスメ・医薬品などあらゆるジャンルの商品を扱っています。また、ネットショップだけではなく、クレジットカード、銀行、保険、電子決済といった金融サービスや通信など多種多様なサービス展開で、多くのユーザーから支持を得ています。

Uber Eats

アメリカで始まったサービスで、自店舗ではデリバリーを行っていないレストラン、飲食店の料理をUber Eatsと契約している配達パートナーが注文者にデリバリーするシステムです。日本では2016年9月に東京都で、150店舗を越えるレストランパートナーが参画してサービスを開始し、2020年4月現在、14都道府県でサービスを展開しています。実店舗と注文者を結ぶサービスではありますが、注文はすべてアプリを通じて行うという点で、インターネットを活用した新たなプラットフォームビジネスといえるでしょう。

LINE

2020年3月現在で国内の月間アクティブユーザー数は8,400万人以上。無料通話アプリとして始まったサービスですが、現在では音楽のサブスクリプション、ゲーム、電子決済、求人など、楽天市場と同様にさまざまなサービスを展開しています。楽天市場やUber Eatsが店舗というプレイヤーのもとにユーザーが集まるタイプなのに対し、LINEは無料通話アプリにユーザーが集まり、そこにプレイヤー(企業)が集まるタイプのプラットフォームビジネスです。

プラットフォームビジネスを成功させるためのポイント

少ない資本でも参入が可能なため、すでに多くの事業者がひしめき合っているインターネットのプラットフォームビジネス。そのなかに新規で飛び込むのなら、既存のビジネスの後追いをしているだけでは勝てる見込みはありません。まずは、これまでのプラットフォームにはない価値や利便性を追求することが大切です。

また、前述したように、プレイヤーとユーザーが一定数以上になると、ネットワーク効果で自然に増えていく仕組みができあがります。逆にいえば、そのような仕組みが自然とできるようなプラットフォームづくりが求められるでしょう。まずは、欲ばらずにターゲットとなるプレイヤーを絞り、そのプレイヤーが抱える課題を解消するプラットフォームを構築することが重要です。例えば、前出の楽天市場は、魅力的な商品を多く生産・仕入れする能力を持つ中小規模のメーカーや小売業者の課題(少ない消費者数、オンライン取引やプロモーションのノウハウの不在)を解消しました。

重要なのはまずはプラットフォーム自体の価値向上に注力すること

プラットフォームビジネスでは、プレイヤーとユーザーが一定数を超えれば、ネットワーク効果によって自然と拡大していくことが期待できます。その段階に至るまでは、プラットフォームの価値向上に注力するのが、成功につながる最大のポイントです。

ただし、最初からやみくもに多くのプレイヤーやユーザーを集められるプラットフォームを作成しようとしても、余計にコストがかかったり無駄が生じたりする場合があります。サイバーウェーブの「VALUE KIT」では、プラットフォーマーとプレイヤー2階層での管理画面の公開が可能な「ベース」、会社概要やヘルプなど必要な画面をつくる「フロント」など最低限の機能でスモールスタートし、必要に応じて「部品」を追加して機能拡張していくことが可能です。

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