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サイバーウェーブ 代表取締役 梨木 繁幸
那須興業株式会社 那須高原りんどう湖ファミリー牧場 カスタマーサービスグループ グループ長 清河 真帆氏
那須ハイランドパークに続いて『VALUE KIT』チケット販売システムを導入した那須塩原 りんどう湖ファミリー牧場。システム開発プロジェクトを率いた清河 真帆氏と当社代表取締役 梨木 繁幸が、開発から運用までの様子を語った。
先に導入した那須ハイがプロジェクトを強力サポート
—現在のチケット販売について教えてください。
清河氏:まずは窓口での販売、周辺のホテルやコンビニエンスストア、観光協会での前売り券の販売がありまして、こちらは紙のチケットになります。WEBチケットに関しては、大手チケット販売SaaSを利用したものと福利厚生サービス企業が提供するものがあり、新たにVALUE KITのシステムが加わりました。
梨木:改めて、VALUE KITを導入した狙いを伺えますか?
清河氏:当社より先に、グループ会社の那須ハイランドパーク(以下、那須ハイ)でVALUE KITを導入していたことがきっかけです。担当の相河から詳しくヒアリングしたところ、売上連動型の大手チケット販売SaaSから、月額固定のVALUE KITに切り替えることで、コスト削減が図れることがわかったので、それはぜひやりたいと。あとは、従来では困難だったお客様データの取得・属性分析などができ、急なチケット作成にもすぐ自分たちで対応できるといったことにも魅力を感じました。
梨木:ありがとうございます。システム開発の初期段階には、相河さんもプロジェクトメンバーとして加わっていましたから、心強かったのではないでしょうか。
清河氏:しかも、私の他に、那須ハイから異動してきた社員がリーダーにアサインされたのです。わからないことは彼女や那須ハイのメンバーにすぐ質問できましたし、開発の後半では那須ハイへ行って、実際の管理画面を直接触らせてもらったことで、運用開始へのハードルが下がりました。グループ会社のシナジーを最大限に活用したという訳です。
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新規チケット作成が間に合わずに急遽運用開始
—運用にあたり、現場スタッフへの説明はどうされましたか?
清河氏:事前に、那須ハイから情報を得てマニュアルを作成し、60数人の社員へ配布しました。さらに、4日にわけてリアルで説明会を開催、使い方やキャンセル方法をレクチャーしました。当然、個人個人デジタルリテラシーに差があり、尚かつ説明会の場で管理画面を触ってもらえなかったため少し不安が残りました。
清河氏:ところが運用開始の日は、夏休み後半の平日だったことから、お客様の数がそこまで多くなく、周知不足が逆に功を奏しWEBチケットをお求めになるお客様が少なかったのです。時間的に余裕があったため、早々に使い方をマスターした若手社員や高校生のアルバイトが慣れていない人に教え、いつの間にかみんなの理解度がアップ。チームワークも生まれたのではないでしょうか。9月、10月になってWEBチケットの利用者数が増えても、慌てることなく対応できていました。
梨木:運用開始のタイミングがキーでしたね。けれども、当初は夏休みが終わるのを待って9月1日から開始するはずでしたよね。ところが、急遽8月26日に開始したいと。
清河氏:実は、プレスリリースで8月26日からのとあるキャンペーンの配信予約が完了していたのです。しかし、従来から利用していたSaaSにキャンペーン用のチケット作成を依頼したら、間に合わないという事態になりまして。だったら、キャンペーンと同時にVALUE KITの運用を始めて、チケットを自分たちで作成、販売しようと考えました。スタッフへの説明も済んでいるし、なんとかなるだろうと、2日くらい前にサイバーウェーブさんにご連絡したのです。
梨木:そういうことでしたか。VALUE KITなら、大手チケット販売SaaSのようにチケット作成を依頼する手間も、その完成を待つ必要もなく、新しいチケットを自社ですぐに作成できますからね。
現金なしでは思う存分遊べず、機会損失が生じていた
— WEBチケットストアを見ると、チケットの種類が多いことに気づかされます。
清河氏:入園+乗り放題セット、年間パスポートはもちろんですが、アトラクションや牧場体験などの単券を用意しています。VALUE KITを導入するまでは、単券は現金対応の券売機での販売だけで、「現金がなくなったから帰る」「一旦入園ゲートを出て、お金を引き出してくる」というお客様が結構いらっしゃいました。
梨木:2024年の夏に新紙幣が発行され、券売機を新紙幣対応にしなければいけないという課題もあったと伺っています。
清河氏:券売機を新紙幣対応に変えると、コストが膨らむことから、すべて対応できていない状態でした。新紙幣または旧紙幣に対応した券売機をご案内したり、行列に並んでいただいたりとお客様にご不便を掛けていましたね。忙しい中、スタッフが両替しに行き、新紙幣と旧紙幣を交換するという作業も発生しました。また、団体客が100人単位で券売機に並ぶこともあり、すると他のお客様までお待たせしてしまう。そういったときに「WEBで買えます」とお伝えできるようになったので良かったと思います。
梨木:現地で並びながらスマホをいじって、先にWEBで買えたら、その分長く遊べますからね。
清河氏:それから、WEBチケットストアでの販売により券売機の数が減らせて、閉園後のスタッフの業務が減らせたのは大きなメリットだと思っています。毎日、複数か所の券売機を回って、中のお金を回収、売上を確認する時間が短縮できました。導入からまだ3か月なのでデータは取れていませんが、残業代の削減にもつながっているはずです。
—単券のWEB販売について、お客様から何か声は挙がっていますか?
清河氏:昨年いらしたお客様が、この秋に再来園してくださいました。前回は、手持ちの現金が少なくてコンビニATMまでお金を引き出しに行かれたそうです。ところが、今回はキャッシュレスになっていて「もう、わざわざ現金用意しなくていいね」とおっしゃっていました。那須ハイもそうですし、近隣のホテルやカフェなどもキャッシュレス化が進んでいるので、「キャッシュレスが当たり前」というお客様のニーズにようやく応えられるようになりましたね。地方でも観光地からこういったキャッシュレス文化を取り入れることで、首都圏からいらっしゃるお客様を増やすことができますし、ひいては那須エリア全体の活性化につなげられるのではないかと考えています。
梨木:これを足がかりにVALUE KITを各地のレジャー施設に普及させ、日本を元気にしていきたいですね。
3社で心を通わせてプロジェクトを推進できた
—システム開発というと難しそうですが、開発中のやり取りは問題なかったですか?
清河氏:私も社長もシステムに関してはまったくの素人で、完成までじっと待つしかないのだろうと思っていました。しかし、Figmaというツールで完成画面イメージを共有していただいたため、わかりやすかったです。また、どんな些細な質問でも丁寧に、素早くレスポンスいただき安心できました。
梨木:建築物なら進捗を目で確認できますが、システムは開発段階が見えませんから不安ですよね。VALUE KITの場合は、最初から画面デザインができているのでイメージしてもらいやすいですし、那須ハイでの実績もご覧になっていたので、我々も安心して取り組めました。
清河氏:質問や要望を五月雨式にお伝えしていたのにも関わらず、完成まで伴走してもらえたので助かりました。それにしても、理解度の差、認識の差を埋めていただくのって、なかなかの負担でしたよね?
梨木:いいえ、サイバーウェーブは、まずお客様の立場になり、お客様を理解することが大切と考えていますのでそんなことはありませんよ。
清河氏:ありがとうございます。サイバーウェーブさんと那須ハイと3社で共同開発し、絆も生まれた気がします。
梨木:こちらこそ、ありがとうございます。我々もこのプロジェクトを通じて、御社と那須ハイさんと素晴らしい関係性が構築できてとても嬉しいです。
次は、予約におけるお客様の不便を解消したい
—今後の展開についてお聞かせください。
清河氏:今後はWEBチケットストアで予約のシステムも組み込めたら嬉しいです。例えばアトラクションの「ジップラインKAKKU」は、1時間ごとの各回定員制になっており、現地予約が必要となります。もちろんホームページに「現地で予約後にチケット購入」と記載しているのですが、チケットだけ購入し、行ったら予約枠いっぱいで諦めて帰るお客様がいらっしゃいまして。せっかく楽しみに来てくださったのに申し訳なく感じています。
梨木:確かに、それはがっかりしますね。他には、花火大会の有料観覧席、イベント、グランピング、待たずに利用できる優先券などがWEBで申し込めたら一層お客様に喜んでいただけそうです。もう少ししたらご提案できると思いますので、ご期待ください。
清河氏:まだまだ始まったばかりですが、できることがどんどん増えていくのが楽しみです。私自身、やがて那須高原 りんどう湖ファミリー牧場を端から端まで俯瞰できる立場になって、よりお客様に愛される施設にしていきたいと思うようになりました。システムひとつで、まさかこんなに夢が広がるなんて思いもしませんでしたよ。
梨木:お話を聞いているだけで、ワクワクしますね。これからも、清河さんの広がる夢とその先にいらっしゃる大勢のお客様のためにバックアップしていきます。
— ありがとうございました。
(取材: 2025年12月)