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サイバーウェーブヒストリー 第5回:第2創業期、新たな挑戦の始まり

前回より続き)

20周年を機に、2019年以降を第2創業期としました。「PJテンプレート」の名称をVALUE KITに改めたのもこの時期。経営者として、人材育成への想いなども語っています。

マーケティングを始めたのは、サイバーウェーブの価値を広めるため

――前回のインタビューでは、2019年から第2創業期を始め、新しい挑戦をしているとお聞きしました。どのようなことを始めたのでしょうか?

梨木:マーケティングを行うようになりました。ここ10年、サイバーウェーブが頂いた仕事は全て紹介によるものでした。取引先のお客様から「こんな仕事があるのだけど、やってみませんか?」というように、自分の人脈をベースにお声がけいただいた案件です。サイバーウェーブの方から電話をかけたり訪問したりして営業することはしてませんでした。

しかし、第2創業期では「梨木がいなくともサイバーウェーブが続くこと」を目標にしています。これまでのサイバーウェーブは良くも悪くも梨木ありきの組織でした。自分がいなくても会社が続くようにするためには、梨木の力がなくてもご依頼を獲得できるようにならなければなりません。サイバーウェーブとしてお客様を作り出す力が必要になります。

そこで、サイバーウェーブが持つ価値を更に認知していただくためにマーケティングを始めました。

――マーケティングでは、どのようなことをしているのでしょうか?

梨木:例えば、「PJテンプレート」の名前を「VALUE KIT」に変更しました。「PJテンプレート」という名前では、どんな製品なのか社外の方に伝わりにくかったんです。マーケティングの専門家に相談したり、社内で話し合った結果、「価値を手軽に組み立てられる」を意味する「VALUE KIT」という名前になりました。

名前を変えた結果、お客様の方から「こんなにも価値あるシステムを作れるなんて、まさにVALUE KITですね」というような言葉をいただけるようになったんです。

――お客様にも「VALUE KIT」の内容や意味が伝わるようになったのですね。

梨木:はい。サイバーウェーブの理念は社会に価値を提供することです。製品の名前を工夫することで、お客様にも理念が伝わりやすくなったと感じています。

仕事の範囲を広げるために正社員の採用をスタート

梨木:マーケティングの他にも、正社員の採用を始めました。2005年頃に経営の大失敗をして以来、正社員は雇ってきませんでした。しかし、第2創業期は「自分の手が届く範囲以上の仕事に挑戦したい」という思いから始めたものです。自分だけでできる以上の仕事をするためには人材が必要になります。

――そこで、採用を始めたのですね。

梨木:採用の他にも、自分が持っていた権限の移譲をしています。例えばお客様対応。今まで自分が全てやっていましたが、他の人に任せることが増えてきました。自分だけではなく他の人もプロジェクトが進められるようにすることで、会社としてこなせる仕事を増やしています。

自分1人で仕事をするよりも多くの人で仕事をしたほうが、創り出せる価値は大きくなります。会社を組織として維持するには、ある程度の人数が必要だとも考えています。サイバーウェーブが安定的に価値を提供できることを目指して、正社員を増やしています。

成長するための3つの条件

――正社員やインターン生の採用では、どのような人材を求めているのでしょうか?

梨木:正社員でもインターン生でも同じように求めているのは、「プログラミングが好き」という思いです。システムを作ることは、新しい可能性を作り出すことでもあります。「自分が作っているプログラムが世の中の新しい可能性を作り出す」ということを楽しめるかどうかを最優先に考えています。

「ポジティブな考え方ができるかどうか」も見ています。課題に対してポジティブな受け取り方をする人もいれば、ネガティブな反応をする人もいます。「難しくてできない」と考えるのか「どうすれば解決できるのだろう」と考えるのか。

コード1つ間違えただけでもシステムが動かなくなるといったように、システム開発には論理的な難しさがあります。課題にぶつかったときにポジティブな見方ができる方を求めています。

もう1つ、採用で大切にしている判断基準は「謙虚に学び続けられるかどうか」です。謙虚さがあれば、目の前の出来事や人からの助言を素直に吸収できます。

プログラミングを楽しめる気持ち、謙虚に学ぶ力、誠実にコツコツ仕事をするという3つの要素があると、絶対に成長することができます。サイバーウェーブでインターンをしている学生も、この3つの要素があり、地道に仕事を続けるうちにエンジニアとして求められる力が身につき成長している事を実感しています。

――正社員の方を採用する場合だと、基準も変わってくるのでしょうか?

梨木:正社員は、インターンに比べて採用基準が厳しくなります。「サイバーウェーブがその人の人生を背負う」という意気込みで雇用しているためです。スキルの面では、例えば、即戦力になってもらえそうかを見ています。何か実績はあるか、システムを作ったことはあるかといったように、採用基準がシビアになります。

エンジニアの価値を最大化できる場所を存続させたい

――第2創業期で目指しているゴールは何でしょうか?

梨木:エンジニアの価値を社会に還元する場所としてのサイバーウェーブを存続させることです。サイバーウェーブは「エンジニアの価値を最大化できる場所」です。個々が持つ技術や知恵を活用し「自分はこんなことをしたんです」と、胸を張って言える仕事があります。

サイバーウェーブは「エンジニアが育つ場所」でもありたいとも思っています。エンジニアとしての技術力をさらに高められるようにシステム開発の教材やマニュアルを整え、全員で共有して学ぶ機会を作っています。

第2創業期で挑戦しているマーケティングも社員数の拡大も、全てはエンジニアが成長し、大きな価値を創り出せる場所を存続させるためです。サイバーウェーブが存続できるように、スタッフの成長を後押ししつつ、組織を拡充させることを目標にしています。

今後ITはさらに広がって、社会を変化させるでしょう。今は限られた会社がIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいますが、その取り組みが一般的になると思います。日本中で起こるデジタル化の潮流を支え、大きな価値を社会に生み出せる会社にしたいです。

――ありがとうございました。

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