AIを共に手を動かせる存在として、全社で導入していく。サイバーウェーブ株式会社が目指すAI活用の現場

こんにちは。サイバーウェーブ株式会社の代表を務める梨木です。

もし今、あなたがエンジニアやプロジェクトリーダーとして転職先を探しているなら、「この会社は、AIとどう向き合っているのか」を気にしているはずです。ツールとして導入しているだけの会社なのか、組織のあり方そのものを変えるつもりで向き合っている会社なのか。その差は、そこで働く一人ひとりの成長スピードや裁量に確実に影響します。

私たちは2026年1月、開発メンバー全員にClaude Codeを本格導入し、そこから半年以上かけて、AIを「使う」段階から「組織の仕組みとして育てる」段階まで進めてきました。この記事では、導入前の試行錯誤から、今この瞬間の活用のリアル、そしてこれから目指す姿までをお話しします。

衝撃から全社導入まで、迷わなかった理由

以前から社内でもAIツールは使われていましたが、個人レベルの利用にとどまっていました。便利なツールを、それぞれが思い思いに使っているだけの状態が続いていたのです。

転換点となったのは2025年12月でした。他社の開発者からClaude Codeで作られたプロダクトを見せてもらい、正直、衝撃を受けました。「ここまでできるのか」「私たちはまだ入口にすら立っていなかったのか」と。この衝撃を受けて、個人の工夫にとどめるのではなく、会社としてAIを開発に本格活用する必要があると強く感じました。そこで年末年始という節目を使って主要なAIプロダクトを一つひとつ集中的に調査し、比較検討しました。なんとなく良さそうなものを選ぶのではなく、なぜそれを選ぶのかを自分自身が納得できるまで突き詰める。私たちは自分たちが書いたコードひとつひとつに責任を持つことをフィロソフィー(根本的な思想)としているため、これは経営判断として譲れないところでした。

そして2026年1月、全開発メンバーだけでなく全社で導入していくことを決断しました。AIが今後の躍進のカギをにぎるという確信があったからこそ、その後の半年間、迷いなく組織全体で走り続けることができました。

「アシスタント」ではなく「共に手を動かせる存在」を選んだ

決断した直後、AIツールを検討する中で私たちが最も重視したのは「開発の現場で本当に使えるか」という一点でした。2026年1月時点で、世の中には便利なAIツールがいくつもありました。しかし、それらの多くはテキストのやり取りで完結してしまう。テキストをやり取りした後、それを自分でコードに落とし込むという一手間が残ります。

エージェント型のツールもいくつか検討しましたが、その中でもClaude Codeは自分たちの理想とする自発的な対応を行えるツールでした。サーバー内でソースコードを直接読み書き、コーディングできる点が根本的に違います。設計書を書くだけでなく、実際のコードベースそのものを理解した上で、開発者と同じ土俵に立って作業してくれる。私たちが求めていたのは「アシスタント」ではなく「共に手を動かせる存在」でした。

開発者にとって扱いやすいのも大きな決め手です。Claude Codeを手がけるAnthropic社は複数のプロダクトを展開していますが、Claude Codeはその中でもコーディングに特化しています。私たちはブームに乗ってツールを選んだわけではなく、何が開発現場の本質的な課題を解決するのかを見極めた上で選びました。

一度見つけた解決策は、二度と探させない仕組み「Dotclaude」

ツールを導入するだけでは、AIは会社の文脈を理解できません。エンジニア一人ひとりが得た気づきやノウハウが、個人のメモやチャット履歴の中に留まってしまうのはもったいない。誰かが苦労して見つけた解決策を、他の誰かがまた同じ苦労をして見つけ直す。そんな非効率をなくすため、個人の気づきを全社で使える資産として蓄積する独自基盤「Dotclaude」を構築しました。

Dotclaudeは3層の知識階層で構成されています。

  • 会社基盤の層:会社の理念や組織構造
  • VALUEKIT関連知識の層:主力プロダクトの仕様やルール
  • 顧客カスタマイズの層:顧客ごとの個別対応情報

この階層構造があることで、AIは「サイバーウェーブという会社のルール・文化・製品」を踏まえた上で、一つひとつの業務を支援できるようになっています。単にコードが書けるAIではなく、私たちの会社をよく理解したAIです。

そして私たちのAI活用に対するフィロソフィー(根本的な思想)を2026年4月25日に明文化しました。この取り組みの本質は、個人のナレッジに依存しない組織を作ることにあります。AIとともに人の可能性を広げ、組織全体で学習し育て続けられる仕組みを持つこと。私たちの目指す姿であり、すでに形になっているものです。

現在はClaude Codeを活用していますが、今後さまざまなプロダクトが世の中で話題になることが想像されます。その中でもDotclaudeで培ったスキルや経験は変わることはありません。今後新興のLLMが登場しても、Dotclaudeに組み込み可能でさらなる価値を生み出せるよう基本設計しています。

エンジニアだけの特権にしない。事務・営業まで浸透したAI活用

AI活用は、決してエンジニアだけの特権ではありません。私たちはMCP技術を使い、Googleドライブ・Notion・人事・会計システム等日常的に使う様々なツールとAIを連携させています。コードを書かない事務や営業のメンバーでも、AIを活用しながら業務効率化やナレッジ参照を自然とできる環境が整っています。

例えば開発事務チームでは、1日の間に行った業務をAIがインプットし、AIを使って業務日報を作成するというスキルが定着しました。その仕組みは開発事務チームの一員によりスキルが作られました。Dotclaude基盤を活かして、日々の小さな気づきや違和感を、その場限りで終わらせるのではなく、組織の改善サイクルに乗せる。これが特別な取り組みではなく、当たり前の流れとして根づいています。

社内では「AIと会話しながら仕事をする」ことが、誰かの特殊技能ではなく日常の風景になっています。エンジニアはコードの相談をし、事務を担うメンバーは書類の整理やWチェックを依頼する。それぞれの立場でAIと共に働いているのが実像です。

1,397ファイル・47,000行を、二晩で整理した根拠

AIの導入によって、開発の速度と品質が確実に変わったと感じています。Dotclaude内では自社プロダクトの標準設計書や内部のコードをルール化している事で、人間の目だけでは見落としがちだった矛盾やバグが次々と可視化されるようになりました。

象徴的な例が、私たちの主力プロダクトVALUEKITのバージョン2.5.0です。1,397ファイル、約47,000行にわたる大規模なコードベースを二晩夜通し稼働させ整理し、品質を向上させました。人力だけに頼っていたら、到底この規模とスピードでは実現できなかった取り組みです。

そして、このDotclaude基盤によって経験の浅いエンジニアやインターンであっても、一見すると上級者と同等のような成果物を作れるようになったという事実があります。かつては経験年数がそのまま成果物の質に直結していました。しかし今は違います。スキルの差を埋めるのは、個人の努力や根性だけに頼るものではなく、組織としての「仕組み」であるべきです。

もちろん、AIが作った成果物への最終フィードバックやコンセプト決定は今も人間が担い、その判断力の価値はむしろ高まっていると感じています。

誰かのノウハウが、そのまま全員の教科書になる「AI Sessions」

もう一つ、「AI Sessions」という仕組みを整備しました。全社員がAIとどんなやり取りをしているのか、そのプロンプトを社内で可視化しています。誰がどんな指示をAIに出し、どんな成果を得ているのか。個人のノウハウとして閉じ込めてしまうのではなく、見て学び、真似て、フィードバックを受け、いつか自分が教える側にもなれる環境がここにはあります。

ノリで終わらせない。AIに説明責任を負わせる開発への進化

私たちが目指しているのは、いわゆる「バイブコーディング」のようなノリと勢いだけで進める開発ではありません。AIがアカウンタブル(その仕事に対する説明責任)にシステム開発を進められるような自社プロダクトを今年度中に進化させたいと考えています。AI活用が始まる前から大切にしている、コード一行に対する責任を持つという姿勢は変わりません。

そのために、設計書やドキュメントをVALUEKIT本体に部品として組み込み、プログラムとドキュメントを直接結びつける取り組みも進めています。コードだけが更新されてドキュメントが陳腐化していく、というよくある失敗を避ける仕組みです。

この動きは開発現場だけに留まりません。見積・提案・進行管理といった、事業を前に進めるための動きにもAI活用を広げていきます。

私たちはAIを「開発を楽にするための道具」で終わらせるつもりはありません。VALUEKITとAIを深く融合させ、事業の進め方そのものを変えていく。本気でこの取り組みに向き合っています。

AI活用力が、そのままキャリアの武器になる場所

サイバーウェーブ株式会社で働くうえで、AI活用の経験はそのまま「AIを使いこなす力」として自分の中に積み上がっていくはずです。今の時代において、間違いなく市場価値のあるキャリア資産になります。

AI主導の開発を始める前から、システム開発や運営に必要なものをVALUEKITをとおして「部品化・型化」して活用する文化があります。この文化はAI活用と非常に相性が良く、一人が見つけた工夫や効率化のアイデアが、その人だけの引き出しに終わることなく全開発メンバーに還元される仕組みになっています。一人ひとりの小さな発見が、組織全体の力になっていくのを実感できる環境です。

AIに任せられる作業を任せた分だけ、人にしかできない設計判断や創造性が求められる仕事により多くの時間を使えるようになります。経験の浅いメンバーであっても、こうした仕組みに支えられて着実に素早く成長できます。

サイバーウェーブ株式会社で身に着けた「AIを使いこなす力」は、AI時代のエンジニア・プロジェクトリーダーとして一番の武器になるはずです。もしあなたが、AIと本気で向き合う環境で自分自身のキャリアと市場価値を積み上げていきたいと考えているなら、エントリーをお待ちしています。

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