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メールシステムがあればメールの配信が効率的に‐仕組みや構築方法は?

メール配信システムがあれば、大量のメールを効率的かつ正確に送信することができます。通常のメールシステムでは難しい、大量のメール送信を行う仕組みが用意されているからです。メール配信システムについて、通常のメールシステムとの違い、仕組みや構築方法を紹介します。

そもそもメールシステムとは

メールシステムとは、メールを送受信するためのシステムのことです。メールシステムと総称されますが、厳密には次の3種類があります。

  • メールシステム
  • メール配信システム
  • メール共有システム

メールシステムといっても、メール配信システムやメール共有システムを指している場合があるため注意しましょう。では、3種類のメールシステムについて説明します。

メールシステム

メールを作成し、送受信するシステムです。多くの場合、クラウドサービスのWebメール形式で提供されます。専用アプリケーションやWebブラウザから操作できるので、インターネット環境があれば、端末やOSの種類を問わずに利用が可能です。イントラネットとも接続すれば、外出先や自宅からでも仕事ができます。

代表的なメールシステムには、Gmail、Outlookなどがあります。また、多くのレンタルサーバーではそのサーバーで使用できるメールシステムを提供しています。

メール配信システム

メールを作成するだけでなく、大量のメールを安定して一括配信できるシステムです。会員向けの情報発信やダイレクトメール、メールマガジンなどのメールマーケティングに利用されています。

代表的なメール配信システムには、MailPublisher、Cuenote、blastmail、WiLL Mail、Benchmark Emailなどがあります。サイバーウェーブの「VALUE KIT」の部品「会員 グループ」も、メール配信システムとして利用が可能です。

メール共有システム

特定の条件でメールを共有するためのシステムです。受注や顧客管理、施設予約、ユーザーサポートの対応管理などに使われています。メールのデータを共有することで顧客対応の漏れや遅れ、重複を防ぎ、効率的な顧客対応が可能です。

代表的なメール共有システムには、メールディーラー、Re:lation、WEBCAS mailcenterなどがあります。

以上3種類のメールシステムのうち、この記事ではメール配信システムについて説明します。

メール配信システムの種類と特徴

メールの作成や送受信は通常のメールシステムでも可能です。では、なぜメール配信システムが必要なのでしょうか。通常のメールシステムは、大量のメールを一括送信することに向いていないからです。

通常のメールシステムで大量のメールを一括送信すると、多くの場合は迷惑メールとしてはじかれてしまい、顧客に届きません。メールアドレスの間違いやメールサーバーのダウンで、送信に失敗することもあります。こうした問題を解消し、大量のメールを一括送信して安定したメールマーケティングを行えるのがメール配信システムです。

メール配信システムの種類

メール配信システムには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。

  • クラウド型
    クラウドサービスで提供されているメール配信システムをインターネット経由で利用する方法です。低コストですぐに導入でき、インターネット環境があればどこからでも利用できます。常に最新バージョンのシステムを使えるうえ、運用管理の手間や費用もかかりません。ただし、自社の要件に合わせたカスタマイズはしにくいのがデメリットです。機能拡張はオプション扱いで別料金になることもあります。
  • オンプレミス型
    社内にメールシステムのサーバーを用意し、運用管理する方法です。自社の要件に合わせて自由にカスタマイズでき、比較的高いセキュリティを確保できます。さらに、既存の社内システムとの連携も容易です。しかし、導入には手間や開発時間、費用が多めにかかります。

メール配信システムの機能

メール配信システムの基本的な機能には、次のようなものがあります。

  • 配信支援機能
    大量のメールを一括配信する機能です。メールアドレスを安全に一元管理する機能も備えています。
  • メール作成支援機能
    レスポンシブデザインで見た目に美しいHTMLメールを簡単に作成できる機能です。テンプレートを作成して顧客名や担当者名を差し込んだり、ステップメールを容易に作成したりする機能もあります。
  • 効果検証機能
    送信したメールの開封率やクリック率、コンバージョン率を測定し、メールマーケティングの効果を検証する機能です。

メール配信システムのメリット

  • 不達のメールが少なくなる
    メール配信システムを使えば、一括送信したメールが迷惑メールとして処理されることが少なくなります。また、大量のメール送信によりサーバーが遅延したりダウンしたりすることもありません。そのためメールがきちんと顧客に届き、不達のメールが減ります。
  • メールの作成に便利な機能がある
    見た目に美しく、顧客の目を引きながら、読みやすいメールを作成できます。テンプレートや過去のメールを利用して、容易にメールを作成することも可能です。過去のメールのデータも保存されているので、重複した内容のメールを送ってしまうこともありません。
  • 顧客管理やマーケティングに便利な機能がある
    顧客のメールアドレスを属性や商談の段階ごとに管理し、顧客ごとに適切なメールを作成できます。ステップメールやメール送信日時の予約を設定したり、顧客名や担当者名を自動的に本文に差し込んだりすることも可能です。メールの開封率やクリック率、コンバージョン率を測定してメールマーケティングの効果を測定・分析する機能もあります。
  • セキュリティ対策が強化されている
    メール配信システムでは、大量の顧客情報を扱うので、通常のメールシステムよりも高いセキュリティが必要です。そのため、アクセス制限や暗号化などの機能が実装され、誤操作による情報漏えいが起こりにくい仕様になっているのです。

メール配信システムの仕組みと構築

メール配信システムはなぜ大量のメールを安定して送信できるのでしょうか。また、そのシステムはどのように構築されるのでしょうか。

メール配信システムの仕組み

メール配信システムには、大量の一括送信を可能にするため、通常のメールシステムにはない仕組みが搭載されています。

  • MTA
    MTA(Mail Transfer Agent、メール転送エージェント)は大量のメールを安定して一括送信するための仕組みです。MTAの働きによって、大量のメールを送信しても迷惑メールと認識されにくくなります。また、処理速度を調整してサーバーのダウンを防いだり、メールを受信確認できないアドレスを適切に管理したりすることも可能です。
  • 複数のIPアドレスを利用可能
    MTAにより、複数のIPアドレスからメールを送信できます。メールの送信元を分散することで、迷惑メールと判定されることを防ぎ、受信側からのブロックを逃れることが可能です。
  • 大量配信とセグメント配信の使い分けが可能
    メールマーケティングでは、多くの顧客に一括して同じメールを送信する「大量配信」と、属性で顧客を分けたセグメントごとに適切なメールを送信する「セグメント配信」を使い分けます。メール配信システムでは、どちらのメールも安定して確実に送ることが可能です。

メール配信システムの構築

メール配信システムの構築方法には、自社構築とツール利用の2種類があります。

  • 自社構築
    自社内もしくは外注でプログラミングを行い、メール配信システムを構築します。オンプレミス型のメール配信システムでよく使われる方法です。導入までには時間と費用がかかり、運用開始後も保守運用の費用が発生します。構築や運用のスキルがあるスタッフも必要です。しかしシステムの仕様は自由で、既存のシステムとも容易に連携できます。
  • ツールを利用する
    メール配信システムを提供するツールを利用すれば、必要な機能をすばやく容易に実装することが可能です。初期費用もかなり抑えることができ、導入時の手間も最小限ですみます。ただしカスタマイズの幅は狭く、毎月のランニングコストも必要です。

メール配信システムのツールの選び方

実際にメール配信システムを構築するときには、ツールを利用することが多いでしょう。その場合、ツールの選び方が重要になります。メール配信システムのツールの選び方には、次のようなポイントがあります。

  • 導入目的に合っているか
    なんのためにメールを送信するのか、どのようなメールマーケティングを行いたいのか、目的を明確にしましょう。メールマーケティングには、ユーザー全体へ告知する、ステップメールやダイレクトメールで個別のマーケティングを行うなど、いくつもの手法があるからです。手法が異なれば、必要な機能が異なります。必要な機能を洗い出すためには、導入の目的を明確にすることが求められます。
  • 配信能力を確認
    ツールによって配信能力が異なります。配信能力とは、配信数、配信速度、ひと月あたりの配信数の上限などです。まずは自社のメールマーケティングにはどの程度の配信能力が必要かを見積もり、それを満たすツールを選びましょう。
  • 到達率を確認
    メールの到達率とは、どのくらい確実にメールが届いているかということです。できるだけ到達率の高いツールを選びましょう。受信されても開封されなかったり、ブロックされたりすることもあります。メールマーケティングに使うなら、確実に開封率を測定して分析できるものが必要です。
  • オプトアウト設定がある
    オプトアウト設定(配信停止設定)とは、受信側でメール受信を拒否するための仕組みです。相手が不要なメールをずっと送り続けるのは逆効果になりかねません。顧客満足度を低下させないため、オプトアウト設定のあるツールを選びましょう。
  • 高いセキュリティ
    メール配信システムで取り扱うメールアドレスをはじめ顧客情報が漏えいすると、顧客からの信頼を失うだけでなく、社会的にも大きなイメージダウンになります。そのため、セキュリティ対策は必須です。

多くのツールには無料トライアル期間があるので、実際に使い勝手や機能を試してみてから導入することをおすすめします。

メールでビジネスの情報発信を行うならメール配信システムは必須

メールは基本的なツールで、どのパソコンやスマートフォンでも使えるため、問題ないと思われがちです。しかし、ビジネスで一斉に大量のメールを送信するのは、簡単ではありません。確実かつ効率的にメールを顧客のもとに届けるためには、メール配信システムが必須です。メールで情報を発信しているなら、自社に合ったメール配信システムの導入をおすすめします。

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