CRMツールを選定する際、自社に合わせてカスタマイズできることを重視する企業は多いでしょう。
しかし、導入前にカスタマイズしたにもかかわらず、今ひとつ使いにくい、イメージと違うといったケースもあるのではないでしょうか?
CRMの導入を成功させるには適切なカスタマイズが必須です。それには、なぜカスタマイズする必要があるのか、どう行えばよいのかを理解しておかなければなりません。
今回は、カスタマイズを行う前に知っておきたいポイントを紹介します。
CRMはなぜカスタマイズが必要なのか?
次のような理由から、カスタマイズが必要になります。
- 自社の業務に合わせて必要十分な機能を選定するため
CRMは通常、一般的な企業で求められる標準的な機能を搭載しています。
そのため、自社の求める機能がカバーされていないことがある一方、自社に必要ではない機能が搭載されている場合もあります。
不要な機能が多くあると、動作が重くなったり使いづらくなったりする弊害が生じるため、機能を追加・削除するといった作業が必要になるのです。
- 自社の業務スタイルや仕様に合わせ、操作感を改善するため
CRMのインターフェイスは、あくまで標準的なものであり、自社の業務スタイルやデータ形式と完全に一致することは少ないでしょう。
実際にデータ処理を行う社員が使いやすいように、インターフェイスや用語、入力方法、操作性などを自社の仕様に合わせる必要があります。
- 関連部署のシステムと連携しやすくするため
CRMを活用するのは営業部だけではありません。
顧客情報は、経理やカスタマーサポートなど、さまざまな部署に存在しています。しかし、それらの部署ではすでに別のシステムを使って顧客データの管理をしていることも多いものです。
顧客情報を一元管理し、必要な部署すべてで情報を共有するため、新たに導入するCRMはそれらのシステムと連携しなくてはなりません。
その場合、CRM側でも連携して顧客データをやりとりできるようにカスタマイズする必要があります。
CRMをカスタマイズすることのメリットと注意点
ここで、CRMをカスタマイズすることのメリットを整理してみましょう。
カスタマイズ時の注意点も紹介します。
CRMをカスタマイズすることのメリット
次のようなメリットがあります。
- 自社の業務プロセスや仕様に合わせたCRMにすることができる
より社内のニーズに合った、使いやすいCRMにすることができます。
- 業務の流れに合った操作画面で業務を効率化できる
自社の業務プロセスに合わせてカスタマイズした画面は、業務プロセスに沿って、必要な情報や入出力画面をすばやく表示できます。
それにより、業務を大きく効率化することができます。
- 部署間のデータ連携がスムーズになる
顧客情報を扱う部署で同じCRMを利用する、もしくは連携することで、データ形式が統一されます。
それにより、データのやりとりがスムーズになります。
CRMをカスタマイズする場合の注意点
一方で、次のような注意点を把握しておきましょう。
- 導入や運用のコストがかかる
導入の際には、CRMツールの利用料、サーバーや回線などのハードウェア料金、ベンダー料金などがかかります。
カスタマイズ部分が大きければ、ベンダー料金も大きくなります。
さらに運用中にはハードウェアのメンテナンスやツールの利用料、ベンダーのサポート料などが必要です。
- ベンダーのプログラミングによるカスタマイズ部分は自社で修正できない
カスタマイズ部分が多いと、運用やメンテナンスが大変です。
なかでも、ベンダーがプログラミングによってカスタマイズした部分は、社内に知識のある社員がいなければ、修正や変更、トラブル対応などのメンテナンスもベンダーに依頼することになります。
カスタマイズ性が高いCRMとは?
カスタマイズがどれだけ可能なのかは、CRMによって異なります。
自社にとって使い勝手の良いCRMを選定するには、次のような条件を満たす、カスタマイズ性の高いものを選ぶことが大切です。
- カスタマイズできる項目が豊富
データ項目の数や名称、画面の構成など、インターフェイスだけでもさまざまな部分がカスタマイズの対象です。
さらに、営業や業務のプロセスに合わせて取引のステータスやレポートの形式などもカスタマイズしなくてはなりません。
そういったカスタマイズできる部分が多いCRMは、カスタマイズ性が高いといえます。
- プログラミング不要でカスタマイズできる部分が多い
CRMのカスタマイズには、プログラミングが必要な部分と、選択肢を選ぶだけでできる部分があります。
プログラミングによるカスタマイズは、CRMを提供するベンダーの手を借りて導入前に行うことが多く、その後気軽に変更や修正ができません。
一方、選択肢を選ぶだけでカスタマイズできる部分は、専門知識がないユーザー自身が対応でき、追加・修正も容易です。
そのため、選択肢を選ぶだけでカスタマイズできる部分が多いCRMは、カスタマイズ性が高いといえます。
- 運用途中でもカスタマイズ可能
CRMをカスタマイズするのは導入時だけではありません。
導入後も、新規事業の拡大や業務の変更によりカスタマイズが必要になることは少なくありません。
運用中でもカスタマイズすることができれば、少しの変更でも新しいシステムに移行する必要がなく、既存のCRMを使い続けることができます。
運用中にカスタマイズを行うためには、やはり、プログラミング不要でカスタマイズできる部分が多いことが重要です。
十分なカスタマイズを行うために必要なことは?
カスタマイズ性の高いCRMを選定したとしても、それだけで導入が成功するわけではありません。
次のようなことも必要になります。
管理者とサポートチーム
カスタマイズの内容は社内のルールに関するものなので、社内に「サポートチーム」が必要になります。
サポートチームとは、導入後にCRMを管理し、使い方をサポートするメンバーのことです。社員の中から複数人選抜し、できれば各部署からメンバーが選出されるのが理想です。なお、導入直後にはベンダーのサポートもありますが、期限や回数が決められているうえ、現場対応してもらえるケースは多くありません。
社内ですぐに対応できる体制を整えておくことが重要です。
CRM導入に対する社員の理解
CRMは、いくつもの部署にまたがって利用されるツールです。
各部署の社員がCRMの必要性を理解し、積極的に利用してくれなければ、導入の成果も出にくくなります。
そのため、導入前には関係する各部署で導入の目的を説明し、実際に操作する社員にCRMを理解してもらわなくてはなりません。
導入前テストの実施
導入前に仕様を決定する際には、実際に操作する社員にしっかりとヒアリングを行うことが重要です。
導入前のテストにも参加してもらい、最終的な仕様や使い勝手について意見を聞きましょう。
こうすることで、適切なカスタマイズを行うことができます。
自社に合わせて適切にカスタマイズすることで、CRMは効果を発揮する!
多くのCRMツールは、そのまま利用するのではなく、カスタマイズしてこそ効果を発揮するようにできています。
そのため、自社に合わせてカスタマイズしやすいCRMツールを選定することが重要です。
さらに、導入前のカスタマイズは、ベンダーに任せっぱなしにするのではなく、どのようにするのかをイメージしておく必要があります。
十分にカスタマイズを行って使いやすいシステムにしたCRMは社内に定着しやすく、導入が成功する可能性がグンと高くなります。
サイバーウェーブのCRM構築サービス
サイバーウェーブでは、「VALUE KIT」というソリューションを提案しています。
VALUE KITでは、多くのビジネスで共通して利用される機能を部品化し、それらを組み合わせてシステムを構築します。
部品の組み合わせを変えるだけで、基本のCRMをカスタマイズすることができるため、各企業の事情に合わせた柔軟なCRMシステム構築が、容易に実現するのです。