LP制作は大変というイメージを持たれているのではないでしょうか。しかし、一つ一つの作業は単純です。注意点を押さえながら手順を踏めば、LP制作はそこまで難しいものではありません。この記事では、LP制作の具体的な7つの手順や5つの注意点、効率化のポイントを徹底解説します。
売れるLPを作る7つの手順
売れるLPを作るためには、しっかりと手順を踏む必要があります。
- ゴールを決める
- ターゲットのペルソナを明確にする
- 設計図(ワイヤーフレーム)を作成する
- 本文を書く
- デザインを決める
- 細部を確認し、公開する
- LPOを繰り返す
手順①|ゴールを決める
まずは、LPのゴールを決めます。
- 資料請求
- 会員登録
- メルマガ購読
- 商品の購入
- アプリのダウンロード
手順②|ターゲットのペルソナを明確にする
ゴールを決めたら、次はターゲットの人物像(ペルソナ)を明確にします。ペルソナを明確にするためには「ターゲットの悩みをどれだけ具体的に言語化できるか」が重要です。ペルソナを明確にするための材料として、以下のような情報を参考にしてください。
- 性別
- 年齢
- 居住地
- 職業
- 年収
- 家族構成
生命保険のLPを制作する現場を想定して、ターゲットのペルソナから悩みを考えてみましょう。
- 性別:男性
- 年齢:29歳
- 居住地:東京都
- 職業:会社員(中小企業)
- 年収:450万(ボーナス込み)
- 家族構成:同い年の妻と1歳の子ども
以上の情報から、ターゲットは以下のような悩みを持っていると考えられます。
「結婚して子どもが産まれたので、もしものために民間の生命保険に加入したい」
この段階で、身のまわりで「結婚して子供が産まれて、生命保険に加入を検討している」知人を見つけて、「あなたは生命保険の検討にあたり、具体的にどんなことが気になっていますか」と訊いてみましょう。ターゲットの条件に完全に一致する知人を見つけられなければ、近しい人でかまいません。
知人に訊いてみたところ、次の話が聞けたとします。
「子どもの将来のために教育費の貯金をはじめた。教育費の貯金は、少なからず家計の負担になっている。もしものために生命保険に加入したいが、これ以上の家計への負担がかかることを考えると、保険料を1円でも安くしたい。とはいえ、生命保険は何十年も払い続けていくものなので『安かろう悪かろう』は避けたい。コストパフォーマンスの高い生命保険に加入したい。しかし、保険は小難しいので比較しづらく、どの会社の生命保険がよいのか、結局よくわからない。」
ペルソナとは「同じ状況において、1人が感じた疑問や感情は、ほかの人も同じことを感じていることが極めて多い」と言う経験則にもとづく手法。あなたの知人から聞いた「ペルソナの悩み」は、そのまま多くの顧客に当てはまるのです。
以上を踏まえると、ターゲットの悩みをもう一段掘り下げることができます。
「結婚して子どもが産まれたので、もしものために民間の生命保険に加入したい。家計にはあまり余裕はないので、家計への負担を考えると、保険料を1円でも安くしたい。でも、何十年も払い続けていくものなので『安かろう悪かろう』は避けたい。コストパフォーマンスの高い生命保険に加入したい。しかし、保険は小難しくて、どの会社の生命保険がよいのかわからない」
ペルソナはシンプルにまとめるのではなく、具体的な悩みや葛藤、人間らしい矛盾した感情がいくつも含まれているように書くのがコツです。具体的であればあるほど、このあとにLPをつくるよい材料になります。
簡単ですが、ペルソナの例を上げてみました。「ターゲットの悩みをどれだけ具体的に言語化できるか」ということがご理解いただけたのではないでしょうか。ペルソナが抽象的だと、LPの内容がブレてしまいます。
収入の多くない層向けのクレジットカードのLPに、高所得者向けのプラチナカードのことを書いても意味がありません。
売れるLPには、具体的なペルソナが必要不可欠なのです。
手順③|設計図(ワイヤーフレーム)を作成する
具体的なペルソナを決めたら、次は設計図(ワイヤーフレーム)を作成します。ワイヤーフレームとは、LPのどこにどんな要素を載せるか、おおまかなレイアウトとして起こしたもの。PowerPointやGoogleスライドで作るのでよいです。手描きでもかまいません。最近ではFigmaやAdobe XDといった専用のソフトもあります。
まずは、キャッチコピーを考えましょう。すでにキャッチコピーがある場合は、この過程はカットします。キャッチコピーを考えるときは「短く簡潔に」を意識してください。
キャッチコピーを考えたら、次はキービジュアルを用意しましょう。キービジュアルは、風景よりも人物や動物が望ましいです。『3Bの法則』をご存知でしょうか。3Bの法則とは、人の注目を集めやすい画像のモデルを指します。
- Beauty=美人
- Baby=赤ちゃん
- Beast=動物
売れるLPを作るためには、3Bを意識して画像を選んでください。
キービジュアルを用意したら、次は見出しを考えましょう。見出しを見ただけで、内容がざっくりとわかるようにしてください。見出しに要約を載せることで、利便性が向上します。
見出しを決めたら、次は見出しに書く内容を箇条書きで洗い出しましょう。具体的に書くと時間がかかってしまうため、ざっくりで問題ありません。見出しの内容を洗い出すと、本文をサクサク書けるようになります。
以上の項目ができたら、次に解説するLPの型に当てはめていきましょう。
LPを構成する3つの構造
LPの構造は、以下の3つに分けられます。
- ファーストビュー
- ボディコピー
- クロージング
ファーストビューは、いわばLPの顔。LPの第一印象は、ファーストビューで決まります。ファーストビューには、以下の5つを記載しましょう。
- キャッチコピー
- キービジュアル
- 権威づけ
- 商品の説明
- CTA
ファーストビューで特に重要なのは、権威をアピールすること。数字や実績で、商品・サービスの良さをターゲットに訴えかけてください。
- ユーザー満足度98%
- コスメランキング1位
- 雑誌に掲載されました
- TV番組で取り上げられました
- 人気インスタグラマーが愛用!
ファーストビューには、CTAも欠かせません。CVに繋がるかは別ですが、ニーズを多く持ったターゲットは、このタイミングでフォームに飛んでくれます。
ファーストビューが完成したら、次はボディコピーです。ボディコピーには、以下の3つを記載しましょう。
- 悩みを解決できる根拠
- 口コミ
- CTA
ボディコピーで特に重要なのは、仕様(スペック)ではなく便益(ベネフィット)をアピールすること。ターゲットが欲しいのは”穴”であり、ドリルではありません。ターゲットに「この商品・サービスなら、自分の悩みが解決できるかも」と感じさせましょう。
口コミを載せるのも効果的です。ターゲットにとって、口コミは重要な安心材料。口コミの記載も忘れないでください。
CTAは、ファーストビューだけではなくボディコピーにも必要です。ボディコピーを最後まで読んだターゲットは商品・サービスにかなり食いついています。ボディコピーにもCTAを置き、しっかりとCVに繋げましょう。
ボディコピーが完成したら、最後はクロージングです。クロージングには、以下の2つを記載しましょう。
- お得な情報
- CTA
クロージングで特に重要なのは、キャンペーンやクーポンなどのお得な情報をアピールすること。ボディコピーのCTAを踏まなかったターゲットは、以下のような悩みを持っています
「良い商品・サービスだけど、本当に買っても大丈夫なのかな……。もっと良い商品・サービスが他にあるのかも……」
キャンペーンやクーポンなどのお得な情報をアピールし、ターゲットの背中を押してあげましょう。
手順④|本文を書く
ワイヤーフレームが完成したら、次は本文を書きます。LPの本文で重要なのは、国語の教科書のような美文ではなく、読み手の感情を揺さぶる文章を書くこと。「人を動かすのは、論理ではなく感情」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
人は論理で納得しても、行動には移しません。感情で行動した後に、理屈を付けて「自分の行動は正しかった」と正当化するのです。読み手の感情を揺さぶるためには、以下の要素を取り入れましょう。
- 数字(満足度98%!)
- 問いかけ(ご存知ですか?)
- 擬音(目覚めスッキリ!)
- パワーワード(期間限定)
- 損得(まだ始めてないんですか!?)
- みんな一緒(10万ユーザー突破!)
- あなただけ(このページだけの特別クーポン!)
LPの文章を書くときは「キレイな文章を書こう」という考えを捨ててください。
手順⑤|デザインを決める
ワイヤーフレームが完成したら、次はLPのデザインを決めます。LPのデザインを決めるときは、以下の2つに注意しましょう。
- 商品・サービスに合ったデザイン
- レスポンシブデザイン
商品・サービスに合ったデザインを意識する
当たり前ですが、商品・サービスに合わないデザインは避けてください。シックなプラチナカードに、カラフルでポップなかわいいデザインは合いませんよね。かわいいデザインでは、プラチナカードの上品なイメージが伝わりません。
LPのデザインは、商品・サービスに合ったものにしましょう。良いデザインが思いつかない場合は、他社の事例を参考にするのも手です。詳しくは「【厳選】LP制作の参考になるデザインサンプルサイト3選」の記事をご覧ください。
レスポンシブデザインを意識する
スマートフォンやタブレットで見やすいLPを作るためには、レスポンシブデザインが欠かせません。見づらいLPを開いたユーザーは、ストレスが溜まって離脱します。Webを見るユーザーの過半数は、スマートフォンやタブレットからアクセスする時代です。
スマートフォンやタブレットからのアクセス比率は、今後も上がるでしょう。見やすいLPを作るためには、レスポンシブデザインが欠かせません。
手順⑥|細部を確認し、公開する
LPが完成したら、公開前に必ず細部まで確認してください。CTAのリンクが切れていると、ユーザーは商品・サービスを購入(加入)できません。誤解を生む文章があると、コンプライアンスに違反してしまいます。
最後まで気を抜かず、公開前に必ず細部まで確認しましょう。
手順⑦|LPOを繰り返す
LPは、公開して終わりだと思っていませんか。公開してからが本番です。LPOとは「Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)」の略。「効果測定・運用・改善」のサイクルを示しています。
LPに限らず、Webマーケティングで成果を出すためには、データの測定が欠かせません。測定で手に入れたデータを元に、LPの修正を繰り返しましょう。
LPOでは、A/Bテストツールを用いたA/Bテストがよく行われます。LPのなかで、とくにターゲットに影響を与えていると推測する箇所に、AパターンとBパターンの2つのデザインを用意し、訪問者によりランダムで表示させ、どちらのデザインのほうがCVにつながるかを集計します。
LP制作の5つの注意点
LP制作には、5つの注意点があります。
- 土台作りを徹底する
- 仕様ではなく便益を伝える
- 「3つのNOT」を意識する
- 申し込み手順を簡略化する
- LPOを繰り返す
注意点①|土台作りを徹底する
LPは、土台作り(ペルソナからワイヤーフレーム)が重要です。どんな豪邸でも、土台が甘いと簡単に崩れるもの。LPの良し悪しは、6割がペルソナとワイヤーフレームで決まります。ペルソナとワイヤーフレームには、特に時間をかけましょう。
注意点②|仕様ではなく便益を伝える
商品を説明するときに、仕様(スペック)だけを伝えていませんか?ドリルを買う人が欲しいのは穴であり、ドリル本体ではありません。LPで商品・サービスを売るためには「この商品・サービスなら、自分の悩みが解決できるかも」と感じさせる必要があるのです。
「ポケットに入るサイズ!」という文言を見たり聞いたりしたことがあるでしょう。「従来よりも35%小型化!」よりも「ポケットに入るサイズ!」のほうが、より具体的ですよね。
確かに、商品・サービスを売る上でスペックを伝えるのは、とても重要です。しかし、スペックを伝えるだけでは、ターゲットはなかなか理解してくれません。スペックとベネフィットを一緒に伝えることで、ターゲットは商品・サービスを購入(加入)した未来を具体的に想像できます。
未来を具体的に想像できたとき、ターゲットの感情は激しく動くのです。商品を説明するときは、スペックだけはなくベネフィットも一緒に伝えましょう。
注意点③|「3つのNot」を意識する
マーケティングの世界には「3つのNot」という概念があります。3つのNotとは、マーケティングの権威であるマックスウェル・サックハイム氏が提唱した、読者の行動原理です。
- Not Read(読まない)
- Not Belive(信じない)
- Not Act(行動しない)
Not Read(読まない)
どれだけ頑張ってLPを書いても、ターゲットはほとんど読んでくれません。あなたは、自宅のポストに入っているチラシをどれだけ読むでしょうか。おそらく、ほとんど読まずに処分しているはずです。
しかし、以下の単語が入ったチラシは、つい見てしまいますよね。
- 無料
- 期間限定
- セール
- クーポン
以上のように、ターゲットに文章を読ませるには、ターゲットが興味を持ってくれるパワーワードを入れるのがポイント。「射幸心を煽る」というと聞こえは悪いですが、パワーワードはとても強力な手法です。
「Not Read」を克服するためには、タイトルやキャッチコピーにパワーワードを入れましょう。
Not Belive(信じない)
どれだけ誠実な思いでLPを書いても、ターゲットは信用してくれません。あなたは「美肌成分をたっぷり配合。あなたの肌は10歳若返る!」という広告を信じるでしょうか。おそらく「うわっ、胡散臭いなぁ……」と思うはずです。
しかし、以下のような要素が入っていると、胡散臭さが少しはマシになりますよね。
- 口コミ
- 専門機関の認証
- いつでも返品可能
以上のように、ターゲットに商品・サービスを信用してもらうには、自信をアピールするのがポイント。前述したとおり、ターゲットにとって、口コミや権威は重要な安心材料です。「Not Belive」を克服するためには、信頼に値するエビデンスを示しましょう。
Not Act(行動しない)
たとえ、ターゲットがLPを読み、商品・サービスを信用してくれてたとしても、行動に移しません。LPを読み終わったら「また明日考えよう」と判断するのです。
ターゲットを行動させるには「11月30日までのキャンペーン! 今すぐお申し込みください!」のように期限を示すのがポイント。「Not Act」を克服するためには、期限を示して背中を押してあげましょう。
注意点④|申し込みの手順を簡略化する
商品・サービスの申し込みに、余計な手順は入っていませんか? 申し込みに時間がかかると、ターゲットは面倒くさくなって離脱します。せっかくCTAを踏んでくれたのに、もったいないです。
大手ECサイトの購入ページを想像してください。無駄な手順がありません。極限まで簡略化されています。ターゲットを離脱させないために、申し込みの手順は極限まで簡略化しましょう。
注意点⑤|LPOを繰り返す
前述したように、LPは完成して終わりではありません。完成してからが本番です。Webマーケティングで成果を出すには、測定が必須。測定で手に入れたデータを元に、LPOを繰り返しましょう。
LP制作を効率化する3つのポイント
LP制作は、とても時間がかかる作業です。上手く効率化し、時間を短縮しましょう。
- ノーコードサービスを活用する
- 他社の事例を参考にする
- LP制作会社に依頼する
ポイント①|ノーコードツールを活用する
「LP制作には、デザイナーが必須」と思っていませんか?確かに、デザイナーに依頼すればクオリティの高いデザインを作ってくれるでしょう。しかし、クオリティの高いデザインには、それなりのお金と時間がかかるもの。
そんな悩みを解決してくれるのがノーコードツールです。ノーコードツールを使えば、用意されたパーツを組み合わせるだけで誰でもクオリティの高いページを作ることができます。直感的なインターフェースで、Webデザイン初心者も安心。
キャッチアップの手間はあるものの、納期を待つことなく公開することができます。金額はデザイナーに依頼するよりも圧倒的に安いです。詳しくは、以下のページをご覧ください。
ポイント②|他社の事例を参考にする
売れるLPを作るといっても、どのようなデザインにしたらよいのか悩みますよね。考えても答えが出ないときは、他社の事例を参考にしましょう。
特にオススメなのは、以下の3サイトです。
- LPアーカイブ
- LP advance
- Land Book
詳しい解説は「【厳選】LP制作の参考になるデザインサンプルサイト3選」のページをご覧ください。
ポイント③|LP制作会社に依頼する
社内に文章が書ける人材がいないなら、LP制作会社に依頼しましょう。自社内で制作できるならば、そのほうが望ましいです。ターゲットは、商品・サービスだけではなく、会社そのものを見ています。
近年、マーケティング業界では「共感の時代」という言葉がトレンド。ターゲットは、会社の理念などに共感したうえで商品・サービスを購入(加入)するのです。会社の良さを誰よりもアピールできるのは、その会社のメンバーであることが多いでしょう。
「共感の時代」を攻略するには、自社の人材が理想的です。
売れるLPを作るのは難しくない
売れるLPを作るのは簡単ではありません。しかし、LP制作に対する「難しい……」という気持ちが軽減されたのではないでしょうか。
最後に、LP制作の7つの手順を振り返ってみましょう。
- ゴールを決める
- ターゲットのペルソナを明確にする
- 設計図(ワイヤーフレーム)を作成する
- 本文を書く
- デザインを決める
- 細部を確認し、公開する
- LPOを繰り返す
LP制作の注意点は、以下の5つです。
- 土台作りを徹底する
- 仕様ではなく便益を伝える
- 「3つのNOT」を意識する
- 申し込み手順を簡略化する
- LPOを繰り返す
LPのデザインは、他社の事例を参考に、ノーコードツールで作ることができます。
LP制作最大の難関は、何と言っても文章。しかし現代は、インターネットや書籍でさまざまな文章術を学べる時代です。ここまで読んでいただいたあなたなら、そこまで難しい問題ではないでしょう。
ぜひ、この記事をLP制作にお役立てください。