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Webマーケティングの「ランディングページ(LP)」とは? 成果の出る作り方や注意点など

Webマーケティング業界では「ランディングページ(LP)」という言葉をよく聞きます。「ランディングページなんて1枚ものの、チラシみたいなものでしょう? Webサイトに比べたらかんたんに作れるよね」と思うかもしれません。しかし、ランディングページとWebサイトは似ているようで、成果を出すには独立したノウハウがあります。

この記事では、ランディングページとWebサイトの違いや売れるランディングページの作り方、ランディングページ制作の注意点などを解説します。

ランディングページ(LP)とは?

ランディングページ(LP)とは、ユーザーがバナー広告やリスティング広告を押した先にある縦長で1枚もののページです。ユーザーがLand(着地)することから「Landing Page(LP)」と呼ばれます。

Webサイトとランディングページの違い

Webサイトとランディングページには、以下のような違いがあります。

目的 レイアウト イメージ
Webサイト 継続的な情報発信 複数ページ 百科事典
ランディングページ(LP) 一期一会のセールス 1ページ(縦長) 新聞広告

Webサイトは百科事典

Webサイトの目的は、継続的な情報発信です。百科事典をイメージしてください。「1ページ1テーマ」の構造で、カテゴリーやタグで情報が整理されています。同じように、たくさんの情報を束ね、継続的に更新し、情報発信を続けるのがWebサイトです。

ランディングページは新聞広告

LPの目的は、一期一会のセールス(コンバージョン率の向上)です。新聞広告をイメージしていただくとよいです。

LPへは、ユーザーがバナー広告やリスティング広告を押して来訪することを想定しています。ユーザーが広告にふれること自体が偶然であることから、その1回の来訪だけでユーザーをコンバージョンするまで説得し切ることを狙います。Webサイトのような、検索エンジンからの自然検索で継続的にアクセスされることは想定していません。

LPの特徴は、多くの場合、以下の3つです。

  1. 縦長のレイアウト
  2. CTA以外のリンクが存在しない
  3. 派手なデザイン

縦長のレイアウト

前述の通り、LPの目的は、一期一会のセールス(コンバージョン率の向上)です。営業マンの営業トークのように、情報が1ページに詰め込まれています。

CTA以外のリンクが存在しない

LPには、CTA(フォーム)以外のリンクをおきません。LPの目的は、ユーザーにCTAを踏ませることです。ほかのリンクは、ユーザーに目移りさせる要因になります。CTA以外のリンクを排除することで、ユーザーの離脱を防ぎます。

「CTA」についての詳しい解説は「WebマーケティングのCTAとは? CTAを改善するコツを紹介」「CTAボタンとは? 作り方の基本・クリックしたくなるCTAボタンを解説」の記事をご覧ください。

派手なデザイン

LPには、画像をふんだんに使った派手なデザインが採用される傾向にあります。ユーザーの目を強く引くためです。

LPの強みは、ストーリーのある圧倒的な訴求力

Webサイトと比べたとき、LPの強みは、ストーリーによる圧倒的な訴求力です。

LPは、いわば営業トークのWebバージョン。1ページのなかでストーリーをもってゴールまで導きます。キャッチコピーや派手な画像、感情を揺さぶる文章を巧みに操り、CVに繋げるのです。LPが持つ強烈な訴求力は、Webサイトではなかなか醸造することができません。

LPを作るときに陥りがちな3つのデメリット

LPを作るときは、以下の3つのデメリットに陥りがちです。あらかじめ知っておきましょう。

  1. 直帰率が高くなりがち
  2. 制作に時間とお金がかかりがち
  3. ランニングコストがかかりがち

直帰率が高くなりがち

LPは直帰率が高い傾向にあります。Webサイトとは違い、LPには関連記事へ回遊するためのリンクをおきません。ユーザーに飽きられたら、そこで終了です。コンバージョンするか、直帰するかの選択肢しかないわけです。

LPにおいて、直帰率を改善することは、そのままコンバージョンの数に直結します。具体的な対策として「CTAを増やし、CVへの導線を確保する」や「キャッチコピーや文章を最適化する」といったものが挙げられます。

制作に時間とお金がかかりがち

LP制作には、それなりの時間とお金がかかります。売れるLPを作るには、以下の要素が必要です。

  1. 良いキャッチコピー
  2. ユーザーの目を引く画像
  3. ユーザーの感情を揺さぶる文章

成果につながる表現を一朝一夕で作ることは難しいものです。自社で制作することもできますが、制作会社への外注が一般的です。LP制作の相場は、デザインのみなら10万円ほどですが、本格的なものは50万円を超えます。

ランニングコストがかかりがち

前述のとおり、LPはユーザーがバナー広告やリスティング広告を押して来訪することを想定していますから、LPでの集客は広告ありきです。成果を出すためには、広告費用を投下し続ける必要があります。

広告の主なものは、以下のようなプラットフォームでよく目にする「リスティング広告」です。「広告」や「PR」という文言が書かれたリンクを見たことがあるのではないでしょうか。

  • Google
  • Yahoo! Japan
  • Smart News
  • グノシー

リスティング広告の掲載には、毎月お金がかかります。以下は、前述したプラットフォームにおけるリスティング広告(クリック型広告)の単価(課金額)です。

  • Google:1円~ / クリック
  • Yahoo! Japan:数円~数十円 / クリック
  • Smart News:1円~ / クリック
  • グノシー:数十円 / クリック

掲載費用はキーワードや広告枠によって異なるため、一概には言えません。しかし、成果につなげるにはそれなりの金額を投下する必要があることが多く、数十万円〜数千万円/月といった金額になります。

売れるLPの作り方

売れるLPを作るためには、7つの手順を踏みましょう。

  1. ゴールを決める
  2. ターゲットのペルソナを明確にする
  3. 設計図(ワイヤーフレーム)を作成する
  4. 本文を書く
  5. デザインを決める
  6. 細部を確認し、公開する
  7. LPOを繰り返す

手順①|ゴールを決める

まずは、LPのゴールを決めましょう。

  • 資料請求
  • 会員登録
  • メルマガの購読
  • 商品の購入
  • アプリのダウンロード

手順②|ターゲットのペルソナを明確にする

ゴールを決めたら、次はターゲットの人物像(ペルソナ)を明確にしましょう。ペルソナを明確にするためには「ターゲットの悩みをどれだけ具体的に言語化できるか」が重要です。

ペルソナが抽象的だと、LPの内容がブレてしまいます。ペルソナを明確にするための材料として、以下のような情報を参考にしてください。

  1. 性別
  2. 年齢
  3. 居住地
  4. 職業
  5. 年収
  6. 家族構成

より具体的にするために、知人にインタビューしてみましょう。ペルソナとは「同じ状況において、1人が感じた疑問や感情は、ほかの人も同じことを感じていることが極めて多い」と言う経験則にもとづく手法です。

あなたの知人から聞いた「ペルソナの悩み」は、そのまま多くの顧客に当てはまります。ペルソナはシンプルにまとめるのではなく、具体的な悩みや葛藤、人間らしい矛盾した感情がいくつも含まれているように書くのがコツです。

手順③|設計図(ワイヤーフレーム)を作成する

具体的なペルソナを決めたら、次は設計図(ワイヤーフレーム)を作成します。ワイヤーフレームとは、LPのどこにどんな要素を載せるか、おおまかなレイアウトとして起こしたものです。

ワイヤーフレーム作成には、以下のツールがおすすめです。もちろん、手描きでもかまいません。

  • PowerPoint
  • Googleスライド
  • Figma
  • Adobe XD

まずは、キャッチコピーを考えましょう。キャッチコピーを考えるときは「短く簡潔に」を意識してください。

キャッチコピーを考えたら、次はキービジュアルを用意しましょう。キービジュアルは、風景よりも人物や動物が望ましいです。『3Bの法則』をご存知でしょうか。3Bの法則とは、人の注目を集めやすい画像のモデルを指します。

  1. Beauty=美人
  2. Baby=赤ちゃん
  3. Beast=動物

キービジュアルを用意したら、次は見出しを考えましょう。見出しを見ただけで、内容がざっくりとわかるようにしてください。見出しに要約を載せることで、ユーザーに流し読みをされても内容が伝わるようにします。

見出しを決めたら、内容を箇条書きで洗い出しましょう。ざっくりで問題ありません。見出しの内容を洗い出しておく、あとで本文をサクサク書けるようになります。

以上の項目ができたら、LPの型に当てはめていきましょう。

  • ファーストビュー
  • ボディコピー
  • クロージング

「LPの型」のさらに詳しい解説は「コンバージョンにつながるランディングページ(LP)の作り方|7つの手順と5つの注意点」の記事をご覧ください。

手順④|本文を書く

ワイヤーフレームが完成したら、次は本文を書きます。LPの本文で重要なのは、国語の教科書のような美文ではなく、読み手の感情を揺さぶる文章を書くこと。「人を動かすのは、論理ではなく感情」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

人は論理で納得しても、行動には移しません。感情で行動した後に、理屈を付けて「自分の行動は正しかった」と正当化するのです。読み手の感情を揺さぶるためには、以下の要素を取り入れましょう。

  1. 数字(満足度98%!)
  2. 問いかけ(ご存知ですか?)
  3. 擬音(目覚めスッキリ!)
  4. パワーワード(期間限定)
  5. 損得(まだ始めてないんですか!?)
  6. みんな一緒(10万ユーザー突破!)
  7. あなただけ(このページだけの特別クーポン!)

手順⑤|デザインを決める

次はLPのデザインを決めます。LPのデザインを決めるときは、以下の2つに注意しましょう。

  1. 商品・サービスに合ったデザイン
  2. レスポンシブデザイン

「LPのデザイン」の参考資料の探し方は「【厳選】LP制作の参考になるデザインサンプルサイト3選」の記事をご覧ください。

LPのデザインでは、アニメーションする要素を入れて印象をよくするケースも多く見かけます。画面のスクロールに応じて画面上の要素がふわっと浮かぶ「パララックス(視差効果)」が代表的です。

しかし、画面上で多くのアニメーションを入れると「ユーザーの意識が本来注目してほしい本文ではなく、アニメーションに奪われてしまう」という傾向がわかっています。

あるLPの事例では「画面上のすべてのパララックスをやめたところ、コンバージョン率が改善した」というケースがありました。

パララックスは印象がよいので使いたくなりますが、アニメーションする要素は本当に注意を引きたいところだけに限りましょう。

手順⑥|細部を確認し、公開する

LPが完成したら、公開前に必ず細部まで確認してください。CTAのリンクが切れていると、ユーザーは商品・サービスを購入(加入)できません。またコンプライアンスや業界特有の法律(薬事法や景品表示法など)に違反する表現がないことも確認します。

最後まで気を抜かず、公開前に必ず細部まで確認しましょう。

手順⑦|LPOを繰り返す

LPは、公開して終わりだと思っていませんか。公開してからが本番です。LPOとは「Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)」の略。「効果測定・運用・改善」のサイクルを示しています。

LPに限らず、Webマーケティングで成果を出すためには、データの測定が欠かせません。測定で手に入れたデータを元に、LPの修正を繰り返しましょう。

LPOでは、A/Bテストツールを用いたA/Bテストがよく行われます。LPのなかで、とくにターゲットに影響を与えていると推測する箇所に、AパターンとBパターンの2つのデザインを用意し、訪問者によりランダムで表示させ、どちらのデザインのほうがCVにつながるかを集計します。

以上がLP制作の手順です。より詳しくは「コンバージョンにつながるランディングページ(LP)の作り方|7つの手順と5つの注意点」のページをご覧ください。

LP制作の5つの注意点

LP制作には、5つの注意点があります。

  1. 土台作りを徹底する
  2. 仕様(スペック)ではなく便益(ベネフィット)を伝える
  3. 「3つのNOT」を意識する
  4. 申し込み手順を簡略化する
  5. LPOを繰り返す

注意点①|土台作りを徹底する

LPは、土台作り(ペルソナからワイヤーフレーム)が重要です。どんな豪邸でも、土台が甘いと簡単に崩れるもの。LPの良し悪しは、6割がペルソナとワイヤーフレームで決まります。ペルソナとワイヤーフレームには、特に時間をかけましょう。

注意点②|仕様ではなく便益を伝える

商品を説明するときに、仕様(スペック)だけを伝えていませんか? 「ドリルを買う人が欲しいのは穴であり、ドリル本体ではない」という喩え話があるように、LPで商品・サービスを売るためには「この商品・サービスなら、自分の悩みが解決できるかも」と感じさせる必要があるのです。

たとえば、あなたの商品が、競合商品よりも35%の小型化を成しとげたとしましょう。どのようなキャッチコピーを書くとよいでしょうか。

よく耳にするパターンで「ポケットに入るサイズ!」という文言を見たり聞いたりしたことがあるでしょうか。「従来よりも35%小型化!」よりも「ポケットに入るサイズ!」のほうが、よりユーザーの具体的なベネフィットを伝えています。

確かに、商品・サービスのスペックを伝えるだけでは、ユーザーはなかなか理解してくれません。スペックとベネフィットを一緒に伝えることで、ユーザーは商品・サービスを購入(加入)した未来を具体的に想像できます。

未来を具体的に想像できたとき、ユーザーの感情は激しく動くのです。

注意点③|「3つのNot」を意識する

マーケティングの世界には「3つのNot」という概念があります。3つのNotとは、マックスウェル・サックハイム氏が提唱した消費者の行動です。

  1. Not Read(読まない)
  2. Not Belive(信じない)
  3. Not Act(行動しない)

注意点④|申し込みの手順を簡略化する

仮にユーザーがLPに来訪し、CTAを押したとしても、その先にあるショッピングカートや申し込みフォームの入力に時間がかかると、ユーザーは面倒くさくなって離脱してしまいます。フォームに余計な手順は入っていませんか?

Amazonなど大手ECサイトの購入ページは、徹底的に改善が重ねられ、無駄な手順がありません。ユーザーを離脱させないために、申し込みの手順は簡略化しましょう。

注意点⑤|LPOを繰り返す

前述したように、LPは完成して終わりではありません。完成してからが本番です。アクセス解析をし「効果測定・運用・改善」のサイクルを繰り返しましょう。

5つの注意点について、より詳しくは「コンバージョンにつながるランディングページ(LP)の作り方|7つの手順と5つの注意点」のページをご覧ください。

LP制作を効率化する3つのポイント

LP制作は時間がかかる作業です。上手く効率化し、時間を短縮しましょう。

  1. ノーコードツールを活用する
  2. 他社の事例を参考にする
  3. LP制作会社に依頼する

ポイント①|ノーコードツールを活用する

「LP制作には、デザイナーが必須」と思っていませんか? 確かに、デザイナーに依頼すればクオリティの高いデザインを作ってもらえます。しかし、クオリティの高いデザインには、それなりのお金と時間がかかるもの。

そんな悩みを解決してくれるのがノーコードツールです。ノーコードツールを使えば、用意されたパーツを組み合わせるだけで、かんたんにクオリティの高いページを作ることができます。直感的なインターフェースで、Webデザイン初心者も安心です。

とくに近年のノーコードツールはわかりやすく、学習から完成まで短期間でできます。金額も、多くの場合、デザイナーに依頼するよりも圧倒的に安いです。

ノーコードツールについて詳しくは「【厳選】LP制作に役立つ無料テンプレート5選|おすすめツールも紹介」「【厳選】LP制作に役立つ有料サービス2選|おすすめのテンプレートも紹介」の記事をご覧ください。

ポイント②|他社の事例を参考にする

売れるLPを作るといっても、どのようなデザインにしたらよいのか悩みますよね。他社の事例を参考にしましょう。おすすめは、以下の3サイトです。

  1. LPアーカイブ
  2. LP advance
  3. Land Book

詳しい解説は「【厳選】LP制作の参考になるデザインサンプルサイト3選」の記事をご覧ください。

ポイント③|LP制作会社に依頼する

社内にLPを制作できる人材がいないなら、LP制作会社に依頼しましょう。制作会社に依頼するときに配慮すべきは、丸投げにしない、ということです。

ユーザーは、商品・サービスだけではなく、あなたの会社そのものを見ています。近年、マーケティング業界では「共感の時代」と言われます。ユーザーは、会社の理念などに共感したうえで商品・サービスを購入(加入)する傾向にあります。

外部の制作会社に丸投げでは、あなたの会社の良さをどうしても表現しきれないことがあります。制作会社と二人三脚で進めることで「共感の時代」に応えるLPがつくれます。

まとめ:制作のセオリーをおさえて成果の出るLPを作ろう

LPは1枚もののページなので、かんたんに作れそうな錯覚をしてしまいます。しかし、高いコンバージョン率(CVR)を出し成果につながるLPを作るには、いくつものセオリーがあります。

この記事で紹介した「7つの手順と5つの注意点」を、ぜひあなたの「売れるLP」の制作に役立ててください。

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