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サブスクリプションで起業するには? 成功に近づくポイントとリスク

新しいビジネスの形態として「サブスクリプション」が注目を浴びています。最近は、サブスクリプションビジネスで起業するスタートアップ企業も多いようです。サブスクリプションビジネスで起業するには、どのようなポイントやリスクがあるのでしょうか。今回は、実際のスタートアップ企業の事例を交えて紹介します。

どのような商材のサブスクリプションサービスで起業するのか

サブスクリプションサービスで起業するためにもっとも重要なのは、どのような商品やサービス、つまり商材を取り扱うのかということです。

現在サブスクリプションサービスが成功している業種でも、商材が異なれば失敗してしまうこともあります。商材には、サブスクリプションサービスに向いたものと向いていないものがあるからです。

商材の種類

サブスクリプションサービスといえば、動画配信や音楽配信といったBtoCサービスのイメージが強いのではないでしょうか?実際にはBtoBサービスも多くあります。

  • BtoC(Business to Consumer):企業から個人ユーザーに向けたサービス
    NetflixやHuluなどの動画配信、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信をはじめ、電子書籍読み放題サービス、デジタルコンテンツ利用サービス、化粧品や食品の頒布などさまざまなサービスがあります。
  • BtoB(Business to Business):企業から企業に向けたサービス
    営業支援システム、顧客管理システムをはじめとした、クラウド上で提供される業務用システムもサブスクリプションサービスです。AWS(Amazon Web Services)など、サービスを提供できるようなインフラ環境を提供しているサブスクリプションサービスもあります。

商材や市場はサブスクリプションに向いているか?

サブスクリプションサービスで起業する前に、自社の想定する商材がサブスクリプションサービスに向いているか、市場の大きさや顧客が十分存在するかなどを考えなくてはなりません。

  • 継続的に需要がある商材か
    一度買っておしまいの商材では、サブスクリプションサービスは成り立ちません。サブスクリプションサービスには、継続して利用される商材が向いています。これまで定期的に購入されていた商材をサブスクリプションサービスで提供することで、企業側は安定した利益を確保することができ、顧客の購入の手間を省くこともできます。
  • ある程度の頻度で利用される商材か
    年に1回しか使われないような商材は、サブスクリプションサービスとして成り立ちません。月に1回程度は利用されるような商材でなければ、顧客の確保が難しくなります。
  • 市場は大きいか、どんな競合他社がいるか
    市場が小さすぎたり競合他社が多すぎたりすると、十分な顧客を確保できません。競合他社が少数でもそこが強力であれば、シェアを確保するのに大きな手間と費用がかかります。
  • 顧客と継続的な関係を築くことができるか
    サブスクリプションサービスでは、顧客との付き合いが長く続きます。その分、顧客のニーズやクレームを聞く機会が増え、カスタマーサポートに手間がかかる側面があります。それを想定したうえで、顧客と継続的な関係を築いていけるかといった視点での検討も必要です。サブスクリプションサービスで起業するには、従来の販売方法とは異なる考え方が求められます。

サブスクリプションで起業して成功するためのポイント

サブスクリプションサービスで起業するためには、成功するポイントとある程度のリスクが存在します。

成功のポイント

サブスクリプションサービスでの起業を成功させるには、次のようなポイントがあります。

  • 顧客との継続的な関係を築き、維持していくこと
    サブスクリプションサービスでは顧客の獲得が最終地点ではありません。長期契約になればなるほど利益が上がるため、「中長期的な関係の維持」が目的であることを理解する必要があります。そのため、サービスに契約した顧客の解約を防ぎ、できるだけ長い期間、継続利用してもらうことが大切です。
  • 顧客に継続利用してもらえるような商材を提供する
    顧客は商材に不満があれば簡単に解約してしまいます。解約を避けるためには、顧客のニーズを把握し、ニーズに応じたサービスを最適化していくことが必要です。顧客のニーズに合わせて新しい商材を導入したり複数の利用プランを用意したりして、顧客満足度を上げていかなくてはなりません。

サブスクリプションで起業するリスク

サブスクリプションサービスでの起業には、次のようなリスクもあります。

  • 顧客を集めるのが難しい
    誕生したばかりのスタートアップ企業では、サービスの名前や社名を知ってもらうだけでも簡単ではありません。集客できなければ、資金の回収も困難です。
  • 初期投資の負担が大きい
    サービスを開始するには、サブスクリプションサービスを提供するためのシステム投資が必要です。すでに利益を上げている企業と異なり、スタートアップ企業には大きな負担となります。
  • 資金の回収には時間がかかる
    サービス開始当初は、多くの顧客を集めることができません。初月無料といったキャンペーンを行うことも多く、いっそう利益は少なくなるでしょう。実際に利益を上げ、投資資金を回収できるまでには時間がかかり、スタートアップ企業では資金が尽きてしまうケースもあります。
  • 簡単に解約できる
    前述のとおり、サブスクリプションサービスは、長期的に継続されることで利益が確保できる構造になっています。しかし、通常1回から気軽に契約でき、満足できない場合はすぐに解約することができるため、サービスを提供する側には大きなリスクとなります。
  • 価格設定が難しい
    サブスクリプションサービスでは顧客は継続的に料金を支払うことになるため、顧客が納得する価格であることが重要です。一方で自社に十分な利益が確保できる価格である必要があり、バランスの取れた価格設定が求められます。

サブスクリプションで起業した事例

サブスクリプションサービスで起業したスタートアップ企業の例をいくつか紹介します。

パンスク

月に1回、パン屋からパンの詰め合わせが届きます。冷凍便のためおいしい状態での長期保存が可能です。毎回同じパン屋ではなく、提携している何件かのパン屋からランダムに商品が届くというサプライズな楽しみもあります。

CLAS(クラス)

家具や家電をひと月単位で利用できるサブスクリプションサービスです。スマートフォン1台で、必要なときに必要なものを借りることができ、料金は利用する家具や家電に応じて変化します。故意でなければ汚れや傷があっても追加料金は不要なので安心です。

POST COFFEE

15万通りの組み合わせから、自分の好みや手持ちの用具に合わせてカスタマイズしたコーヒーが3種類届きます。届いたコーヒーへのフィードバックを行うことで、長く利用するほど好みに合ったコーヒーが提案されていくのが特徴です。料金はカスタマイズの内容によって細かく変動します。

トイサブ!

乳幼児のおもちゃは、子どもの成長に合わせて新しいものがほしくなります。そのため、発達に合わせてステップアップしていくおもちゃのサブスクリプションサービスはとても便利です。衛生管理もしっかり行われており、安心して子どもに使わせることができます。

バンク・オブ・エンジニア

オフショア開発のサブスクリプションです。システムごとの外注ではなく、日本人ディレクターが監修している各国のエンジニアを含む開発環境を、契約期間の間は独占することができます。契約期間中は、複数のシステム開発や、修正のオーダーも自由です。

Bloomee LIFE

毎週または隔週、提携する全国の花屋から季節の花をアレンジした花束が届くサービスです。簡単でお得に見栄えのいいアレンジメントを飾ることができます。プランによって花の量が変わるので、個人宅からオフィスまで対応できます。

十分な資金とコンセプトがあればサブスクリプションサービスでの起業も可能

サブスクリプションサービスには開始時の運転資金や集客などの弱点があり、起業するのが難しい場合もあります。しかし、サブスクリプションサービスはユーザーにとっても大きなメリットがあり、これからもさらに発展が見込めるビジネスモデルです。まずはサブスクリプションサービスが成功するポイントやリスクを十分に把握し、検討していくことが大切です。

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