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【書く技術・伝える技術】明日から使えるビジネス文書の基礎を解説【要約】

あなたが日々書いているビジネス文書は、読み手がわかりやすいと感じられるものでしょうか。自分ではわかりやすく書けたと思っても、相手はわかりづらいと感じているかもしれません。

情報が正しく伝わらなかった結果、相手に大きな誤解をされてしまう可能性もあります。プログラミングや英語を重視する現代において、ライティングの価値は軽視されがちです。

しかし、テキストベースでのやり取りが増えた昨今、ライティングの価値はさらに増しているのではないでしょうか。情報伝達の質を上げるライティングは、私たちの想像以上に価値のあるスキルです。

この記事では、倉島保美 著『改訂版 書く技術・伝える技術』を基に、ビジネスライティングの基礎を解説します。

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4866671483

サイバーウェーブでは「スキルアップ支援制度」として、社員が自己研鑽のための書籍購入を補助する制度があります。『改訂版 書く技術・伝える技術』はこの制度を利用して手にしました。

ビジネス文書は熟読させたら負け

ビジネス文章において重要なのは、相手に文章を熟読させないことです。情報に溢れた現代のビジネスシーンでは、素早く的確な情報伝達が求められています。

あなたが情報を届ける相手は、そもそもビジネス文書を読みたいとは思っていません。ビジネス文書を読まないと仕事が進まないため、仕方なく読んでいるのです。

ビジネス文書の読み手は「流し読みで全体を把握でき、次のアクションに移れる内容」を求めています。「この文書は流し読みできないし、次のアクションもわからない」と思った経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。

流し読みできるビジネス文書を書くためには、いくつかのテクニックが必要です。ワンランク上のテクニックを学び、次から作るビジネス文書の質を上げましょう。

読み手のメンタルモデルに配慮する

ビジネス文書を書くときは、読み手のメンタルモデルに配慮しましょう。メンタルモデルとは、人間が無自覚のうちに持っている価値観や思い込みです。

人間の脳は、メンタルモデルを使って得た情報を自分なりに消化しています。

  1. 情報をキャッチ
  2. 次の展開を予想
  3. 脳内のデータベースが活性化
  4. 情報の処理速度UP
  5. 以下ループ

読み手が「わかりやすい」と感じる文章には、以下の2つが欠かせません。

  1. 冒頭で具体的なメンタルモデルを作れる
  2. メンタルモデルを崩さない論理展開

とあるプレゼン資料の冒頭で「1つ目のメリットは〜」と書いたとしましょう。「1つ目のメリットは」をキャッチした読み手の脳は、以下の2つを予想します。

  1. 直後に1つ目のメリットが説明される
  2. 説明後に「2つ目のメリットは~」が続くはず

読み手の予想通りに論理展開することで、理解を促しやすくなるのです。読み手にメンタルモデルを作らせたら、次はメンタルモデルを維持させましょう。

メンタルモデルが崩れると、脳は新しいメンタルモデルを作ります。読み手が「わかりづらい」と感じる瞬間は、メンタルモデルが崩れる瞬間です。

文章を読んでいて以下のように感じた経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。

  • 「いきなり話が飛んだな……」
  • 「この情報はどこから来たの?」

2つ目のメリットを説明するときは、必ず「2つ目のメリットは〜」から書き始めます。「2つ目のメリットは〜」が抜けると、読み手は後に続く文章を2つ目のメリットだと認識できません。

「いつの間にか2つ目のメリットを話し始めている」と感じた瞬間に、読み手メンタルモデルは崩れるのです。複数の事柄について述べるときは、順序にも注意しましょう。

1つ目の次に3つ目を述べると、読み手は「2つ目は?」と困惑します。読み手が困惑した瞬間は、メンタルモデルが崩れる瞬間です。

「1 → 2 → 3」や「A → B → C」のように、複数の事柄を述べる順序や論理展開は徹底しましょう。

負担をかける文章とかけない文章の違い

世の中の文章は、以下の2つに分かれています。

  1. 読み手に負担をかける文章
  2. 読み手に負担をかけない文章

読み手に負担をかける文章とは、メンタルモデルが作れなかったり途中で崩れたりする文章です。情報を正確に伝える義務がある書き手は、読み手のメンタルモデルに配慮しなければなりません。

読み手のメンタルモデルに配慮した文章を書くためには、以下の3つを意識しましょう。

  1. 文章の冒頭は総論から始める
  2. 詳細の解説にはパラグラフを使う
  3. 接続助詞を使いすぎない

文章の冒頭は総論から始める

読み手にメンタルモデルを作らせるためには、文章の冒頭に総論を入れましょう。総論とは、話の主旨を伝えるために書く、少し長めの結論です。

結論に話の主旨を加えることで、ズバッとした結論よりも具体的なメンタルモデルが作られます。以下の例文Aと例文Bをご覧ください。

例文A
近年、DXに取り組む日本企業が増えている。日本企業は、DXを前提に今後の戦略を練るべきだ。
例文B
近年、グローバル競争を生き抜くための手段として、DXに取り組む日本企業が増えている。DXが注目される要因は、グローバル市場から見た日本企業の競争力の低下だ。競争力が低下している状態では、DXを前提としたグローバル市場では生き残れない。日本企業は、DXを前提に今後の戦略を練るべきである。

「グローバル競争を生き抜くための手段」という情報を加えるだけで、今後の展開がより具体的になりました。文章Bによって作られるメンタルモデルは「グローバル競争に関するDXの話だな」です。

「DXに取り組む」という情報だけでは、読み手が予想する展開に個人差が生まれます。不完全なメンタルモデルが作られた結果、グローバル競争という情報によってメンタルモデルが崩れるのです。

「DXに取り組む」とだけ書いても、一発で「グローバル競争」には辿り着けません。世間が持て囃すズバッとした結論には「話の主旨が伝わらない」という重大な副作用があります。

情報を正確に伝えるためには、読み手のメンタルモデルに話の主旨を組み込む必要があるのです。総論を書くときは「そこだけ読めば全体像を把握できる情報量」を意識しましょう。

詳細の解説にはパラグラフを使う

総論の内容を細かく解説するときは「パラグラフ」を使いましょう。パラグラフとは、あるトピック(親)を構成する要素(子)の集まりを見出しで整理したものです。

パラグラフを活用することで、読み手のメンタルモデルを崩さずに細かい解説を展開できます。ビジネス文書におけるパラグラフは、Webのh2タグとh3タグの関係性をイメージしてください。

文章における見出しは、道路に設置された案内標識のようなもの。要素(子)ごとに見出しを挟むことで「次はこれを解説するよ」と読み手に道案内ができます。

見出しが少ない文章は、読み手がトピックの現在地を把握できません。読み手が道に迷った瞬間は、メンタルモデルが崩れる瞬間です。

本書では「ここまでするか」というレベルで見出しを入れていました。ビジネス文書を作るときは、しつこくない範囲でこまめに見出しを入れましょう。

読点や接続助詞を使いすぎない

大量の読点や接続助詞で繋がれた情報過多な文章は、読み手のメンタルモデルを崩す文章です。読点や接続助詞を使えば使うほど、あなたの文章は情報過多で理解しづらくなります。

大量の読点や接続助詞で繋がれた文章を見たときは、句点で切れる箇所がないかを確認しましょう。

接続助詞の例

  • 「~ば、」
  • 「~と、」
  • 「~ても、」
  • 「~でも、」
  • 「~けれど、」
  • 「~が、」
  • 「~のに、」
  • 「~ので、」
  • 「~から、」
  • 「~し、」
  • 「~て、」
  • 「~で、」
  • 「~なり、」
  • 「~ながら、」
  • 「~たり、」
  • 「~ものの、」
  • 「~や、」
  • 「~に、」

1文を長くするデメリットには、以下の2つが挙げられます。

  1. 主語と述語の関係が曖昧になる
  2. 修飾語と被修飾語の関係が曖昧になる

以下の例文Cと例文Dをご覧ください。

例文C
我々が提案するのは、画期的な単位の取り方で、これをマスターすることにより、どんな難しい講義でも確実にD判定を避けることができ、勉学の時間を他の活動に充てられ、学生生活がより豊かになること請け合いなので、ぜひ身につけてください。
例文D
我々が提案するのは、画期的な単位の取り方。これをマスターすることにより、どんな難しい講義でも確実にD判定を避けることができます。勉学の時間を他の活動に充てられるので、学生生活がより豊かになること請け合いです。ぜひ身につけてください。

例文Cと例文Dでは、どちらが読みやすいと感じるでしょうか。99%の人は「例文Dのほうが読みやすい」と感じるでしょう。例文Cの内容は理解できるものの、1文が長すぎて疲れます。

句点で適度に区切られた例文Dは、脳内で情報を整理しやすいです。読点や接続助詞を使う回数は、前者が2回まで、後者は1回までに抑えましょう。

読点や接続助詞を絶対に使うなというわけではありません。読点や接続助詞を使わずに書いた文章は、それはそれで違和感があります。

読点や接続助詞の役割は、脳の情報処理をスムーズにする潤滑剤です。読点や接続助詞を適度に使い、読み手に負担をかけない文章を書きましょう。

書く技術は書き手も読み手も得をする

倉島保美 著『改訂版 書く技術・伝える技術』を基に、ビジネス文書の基礎を解説しました。ビジネス文章において重要なのは、流し読みしただけで次のアクションに移れることです。

あなたが情報を届ける相手は、そもそもビジネス文書を読みたいとは思っていません。ビジネス文書を読まないと仕事が進まないため、仕方なく読んでいます。

流し読みしただけで内容を理解できる文章には、メンタルモデルへの配慮が欠かせません。メンタルモデルとは、人間が無自覚のうちに持っている価値観や思い込みです。

人間の脳は、メンタルモデルを使って得た情報を自分なりに消化しています。

  1. 情報をキャッチ
  2. 次の展開を予想
  3. 脳内のデータベースが活性化
  4. 情報の処理速度UP
  5. 以下ループ

とあるプレゼン資料の冒頭で「1つ目のメリットは〜」と書いたとしましょう。「1つ目のメリットは」をキャッチした読み手のメンタルモデルは、以下の通りです。

  1. 直後に1つ目のメリットが説明される
  2. 説明後に「2つ目のメリットは~」が続くはず

「1つ目のメリットは〜」の次に「3つ目のメリットは〜」を書いてしまうと、読み手のメンタルモデルが崩れ、内容を理解しづらくなります。

「1 → 2 → 3」や「A → B → C」のように、複数の事柄を述べる順序や論理展開は徹底しましょう。読み手のメンタルモデルに配慮した文章を書くコツは、以下の3つです。

  1. 文章の冒頭は総論から始める
  2. 詳細の解説にはパラグラフを使う
  3. 接続助詞を使いすぎない

上記の3点を押さえたビジネス文書と押さえていないビジネス文書では、読み手の理解度に大きな差が出ます。ビジネスライティングのコツを押さえ、ワンランク上のビジネス文書を目指しましょう。

ビジネスライティングは、書き手であるあなたにもメリットがあります。ビジネスライティングの目的は、流し読みしただけで内容を把握できる文章を書くことです。

「あの人の文章は、必要な情報を迅速かつ正確に伝えてくれる」と思われて損はありません。読み手に配慮した文章を書いただけで、なぜか書き手も得しています。

ビジネスライティングは、回り回ってあなたの評価が上がるお得なスキルなのです。倉島保美 著『改訂版 書く技術・伝える技術』には、ビジネスライティングを学ぶトレーニングも載っていました。

あなたもビジネスライティングを学び「わかりやすい文章を書く人」を目指してみてはいかがでしょうか。

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