導入事例
日本通信紙株式会社

煩雑な手続きをデジタル化して一気に最先端へ。資格の受験申込管理システム

左から
サイバーウェーブ 代表取締役 梨木 繁幸
日本通信紙株式会社 プロセスデザイン部 部長 國井 朋弘氏
日本通信紙株式会社 生産本部 印西BPOセンター 販売支援部 担当課長 宮地 雄大氏
日本通信紙株式会社 生産本部 販売支援部 係長 伊東 航氏

通信用記録紙の販売からスタートし、紙や印刷を通じて長年、日本のビジネスを支えてきた日本通信紙株式会社。情報処理事業からBPO(Business Process Outsourcing)事業へと展開させることで、顧客の多彩なニーズに対応。近年ではさまざまな国家試験や民間の検定試験の運営を丸ごと受託する業務でさらなる事業拡大を図っている。

2022年には資格試験の受験申込管理システムの開発をサイバーウェーブと初協業し、資格試験のDX化推進に貢献した。今回は、日本通信紙プロセスデザイン部の國井 朋弘氏、生産本部の宮地 雄大氏および伊東 航氏と当社代表取締役の梨木 繁幸とで本プロジェクトを振り返る。(以下敬称略)

郵送からWeb申込、振込から電子決済に。
受験申込の仕組みを一気に変えるプロジェクト。

—まずは、日本通信紙株式会社様が携わる試験運営サービスについてお聞かせください。

國井:当社ではもともと印刷物や情報処理の領域でビジネスを行っていましたが、やがて資格試験関連の要望が増えてきました。最初は、問題用紙や答案用紙の作成からでしたが、やがてマークシートの回答のデータ化および採点、合否通知の作成・送付も受託するようになりました。いまでは、資材の作成はもちろん試験会場の手配や試験当日の運営までのトータルソリューションを提供しています。

—受験申込管理システムの開発依頼は初めてだったのですか?

國井:これまで当社ではオンライン受験システムの開発・提供は行っていましたが、受験申し込みと受験料の支払いをWebでする受験申込管理システムは初めてでした。電子決済を搭載するために、信頼の置ける収納代行会社と組むことが大前提でしたので、
当社で取り引きがあって間違いのない収納代行会社に声を掛けました。そこでサイバーウェーブさんを紹介してもらいました。

—サイバーウェーブと他社を比較検討されましたか?

國井:システム開発会社とひと言で言っても会社によって強みが異なるので2〜3社比較検討しました。その中でサイバーウェーブさんは、収納代行会社と連携できる点が何より安心できましたし、ECサイトの制作実績もあった。さらに、7割がすでに完成していて、残りの3割をケースごとにカスタマイズするVALUE KITの仕組みに魅力を感じました。また、梨木社長にこの受験申込管理システムでどのような課題を解決したいかをお話ししたら、すぐにその場でデータフロー図をつくって見せてくれたことにも感動しました。

梨木:ありがとうございます。As-Is(アズイズ:現状の姿)とTo-Be(トゥビー:あるべき姿)を打ち合わせの席で描いてお見せしたときのことですね。

國井:あのときは最初の打ち合わせだったのに、我々の考えていたことと一致して安心しました。偶然にもマネージャーさんが似たような試験を受けたことがあったため話がスムーズでしたし、この会社なら大丈夫だと思って発注に至りました。

梨木:私としては、60年以上の歴史がある日本通信紙さんと新しいことにチャレンジできることにワクワクしました。書類を郵送し、郵便振替や銀行振込で決済していたこれまでからガラリと変わり、運営側も受験者側も大きなベネフィットを得られますからね。

通常なら不可能な3か月という短納期をVALUE KITでクリア

—お互いに方向性をすり合わせて、無事開発をスタートさせたわけですね?

宮地:そうですね。ただ、最初から最後まで不安で仕方なかったです。なにせ開発期間が3か月しかありませんでしたから(笑)。

伊東: 4月の下旬に國井がサイバーウェーブさんと協業することを決めてきて、打ち合わせが始まったのが6月半ばでリリースは9月。圧倒的に時間がありませんでした。

宮地:通常、こういったシステム開発だと半年くらいはかかるわけですよ。國井さん、大変な仕事を引き受けてきたな、勘弁してくれと思いました(笑)。

梨木:うちとしてはVALUE KITがあるので問題ないと思い、3か月で完成できますとお伝えしました。ただ、そうは言われても、やはり心配ですよね…。

宮地:心配でしたよ。スケジュールに加え、長年、紙をメインに事業展開してきた我々とデジタルを極めているサイバーウェーブさんとでは考え方も違うでしょうし、ましてや初めての取り引きでしたので行き違いや思い違いなどもあり大変だろうと。

梨木:キックオフの時にVALUEKIT開発の標準ツールや進め方を説明し、打ち合わせを頻繁にやって、その辺はなんとかうまくやれたのではないかと思います。

伊東:はい。時間のない中、制作中のWebデザインをブラウザ上で共有できるFigmaというツールを使おうと言ってくれたため、効率良く進められましたしね。従来は修正依頼をしてもその場ではできないことが多く、修正したものを例えば1週間後などに再確認が必要でした。それが同じ画面を見ながらその場ですぐに修正対応してもらえたので助かりました。

國井:主催団体からの要望が変わっても、適宜快く対応していただき。レスポンスも早く、お互い認識の違いもなく、なんとか3か月というタイトなスケジュールにハマりましたね。

宮地:VALUE KITがあらかじめ7割できているというのは大きかったですね。

切り抜き、拡大・縮小、角度調整などの顔写真編集機能で、質の高い本人確認を実現

—Web画面にはどのような機能を搭載したのですか?

宮地:受験申し込みと受験料の支払いに加え、申し込み時に証明写真の提出が必要な資格試験だったためスマートフォンで撮影した写真をアップロードできるようにしました。

梨木:受験者が自分のスマホ写真から人物だけを切り抜いて、拡大や縮小して角度を調整し、真ん中にレイアウトできるようにしました。顔や肩の位置が揃うようガイドラインも付けました。

伊東:おかげで顔の大きさが揃い、一覧画面から本人確認がしやすくなりました。それまでは撮る人によって顔が小さく写っているなどバラツキがあって確認しづらかったんです。

—開発中、大変だったことはありましたか?

伊東:とにかく細かな確認が多く、ひとつひとつクリアしていくのが大変でした。けれども、Asana(アサナ)というプロジェクト管理ツールを共有してもらえたので、お互いにやり残しがないように注意しながらできました。

梨木:システム開発は細かなことの積み重ねですから、ひとつひとつ慎重に、着実に進めないとしっかりとしたものができないんですよね。

宮地:いつも試して直して試して直してを繰り返して完成に近づけていくアジャイル開発をしていた我々にとっては、サイバーウェーブさんの進行管理の仕方は非常に勉強になりましたよ。すべてを決めて一気に走り出すウォーターフォール開発は初めてでしたから、ここまで細部まで決め込むのかと驚かされました。

梨木:アジャイル開発はうまく回れば柔軟な開発ができますが、試行錯誤が多くなると、コスト増に繋がります。VALUE KITを活かして7割を作り、お客様のご要望から細部をカスタマイズしていくので、効率的で、結果としてコストも抑えられます。

—完成後は、無事、運用を開始できたのでしょうか?

伊東:実際、Webサイトは動かしてみないとわからないことがあるので、運用開始直後は注視していました。すると一部の受験者が住所をうまく入力できないという現象が起きて、すぐサイバーウェーブさんに対応してもらいました。

梨木:あれは、ブラウザの入力補助機能の問題でしたね。Google Chromeが住所を覚えていて自動入力する機能があるのですが、それで入力したものがなぜか新宿区だけアルファベットになったり。技術調査しHTMLの書き方でこの機能をオフにしたら、それ以降、住所入力のミスが無くなりました。

伊東:つくっておしまいではなく、運用が開始してからもサポートしてもらえるので非常に心強いですね。

ユーザーインタビューで、さらなる利便性向上を目指す

—サイバーウェーブに依頼していかがでしたか?

宮地:まず3か月というタイトなスケジュールでしたが、無事に完成してホッとしました。運用を開始してからも住所入力の問題以外の不具合はなく、いまのところヘルプデスクへの問い合わせもありません。主催団体も満足していますよ。

伊東:完成後にユーザーインタビューをして、このシステムのどこが使いやすかったかを調査されたじゃないですか?そうやって実際の受験者に話を聞いて、次につなげるという姿勢がすごくいいと思いました。

梨木:やはりユーザーである受験者がどう感じたのかが大切だと思うんですよね。どんな些細な意見でも真摯に受け止めて改善することで、受験者にとっても主催団体さんや日本通信紙さんにとってもより満足度の高いサービスが提供できますし、我々の価値をさらに向上でき、また別のシステム開発に反映できると考えています。

共通する機能やナレッジを増やし、試験やBPOのDX化を推進

—今後の展開についてお聞かせください。

國井:我々の事業は、試験運営のトータルソリューションですので、試験に関わるすべてを視野に入れてビジネスを拡大しないといけません。そのためには、やはり入り口となる受験申込の仕組みを変えて受験者にも試験の主催団体にも満足してもらいたいと考えています。日本には多くの試験主催団体が存在しますので、共通する機能、仕組み、ナレッジを応用させ水平展開できたらいいと考えています。

宮地:いま、紙で送る請求書をWebからダウンロードできるようにするなど、世の中、どんどんデジタルへとシフトしていますよね。当社では受験申込に限らず、BPO事業でもDX化はより進んでいくと考えられるので、今後もサイバーウェーブさんにさまざまなことを相談させてもらおうかと思っています。

伊東:僕も宮地と同じようなことを考えています。例えば、住宅ローンも確定申告も電子申請できるようになったし、世間はだいぶ変わってきたと実感しています。ですので、社会をしっかりと見つめ、ここはDX化できるかも?と思ったところを掘り下げて、新しいサービスにつなげていきたいです。その際は、またサイバーウェーブさんと一緒に組みたいです。

梨木:國井さんからすでに今回の主催団体さんの別のお仕事をちょうだいしましたので、まずはこちらをしっかり開発したいと思っています。そして、試験運営事業をはじめとする日本通信紙さんの事業をさらに学んで、我々の方から提案できることを見つけていきたいです。末永いお付き合いになるよう、今後とも精進して参りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

—ありがとうございました。

(取材:2023年3月)